同じメールアドレスを別のパソコンでも使えるの?

2516文字 Blog, シリーズ『学び』

「自分のメールを別のパソコンでも見れますか?」

このような質問、意外と多いんです。知っている人は知っているけれど、ここで一度しっかり答えておこうと思います。

結論:できます

同じメールアドレスを複数のパソコンやスマホで使うことは可能です。

ただし、設定の仕方によって使い勝手が大きく変わるんです。

POPとIMAP、2つの受信方法

メールの設定には、OutlookなどのメールソフトでPOPとIMAPという2つの方法があります。

多くの人が使っているのはPOPです。でも、複数の端末で使いたいなら、IMAPの方が便利なことも多いんです。

POPってどんな仕組み?

POPは、メールサーバーというところに一旦届いたメールを、自分のパソコンにダウンロードして読む方法です。

イメージとしては、郵便局に届いた郵便物を自宅に持ち帰って読む感じですね。

POPのメリットは、パソコンの容量が許す限り、いくらでもメールを保存できることです。メールサーバーには容量の限界があるので、ある程度受信すると満杯になって新しいメールが受け取れなくなってしまいます。でも、POPでパソコンにダウンロードしてしまえば、この心配がありません。

IMAPってどんな仕組み?

一方でIMAPは、メールサーバーを常に見に行く方法です。

メールはサーバーに置いたまま、それを覗きに行くイメージですね。Gmailを使っている感覚と言えば分かりやすいでしょうか。

IMAPのメリットは、自分のパソコンにメールが溜まらないことと、複数の端末で同じメールを見られることです。スマホでもタブレットでもパソコンでも、どれでも同じメールを確認できます。

ただし、メールサーバーの容量がいっぱいになってしまうと受信できなくなってしまうので、定期的に受信ボックスの整理が必要です。

POPでも複数のパソコンで使える

「POPだと1台のパソコンでしか使えないの?」

そんなことはありません。POPでも、設定次第で複数のパソコンで同じメールを受信できます。

ポイントは「サーバーにコピーを置く」設定です。

通常のPOP設定では、メールをパソコンにダウンロードすると、メールサーバーから削除されてしまいます。でも、「サーバーにメールのコピーを残す」という設定をしておけば、1台目のパソコンでメールを受信しても、2台目のパソコンでも同じメールを受信できるんです。

サーバーにコピーを残す設定の注意点

ただし、サーバーにメールを残し続けると、いずれサーバーがいっぱいになってしまいます。

そこで便利なのが「○日後に削除」という設定です。

例えば「14日後に削除」と設定しておけば、メールを受信してから14日後に、メールサーバーから自動的に削除してくれます。これは昔からある便利な機能なんです。

設定する日数は14日、30日、60日など、自分の使い方に合わせて選べます。

ここで1つ注意点があります。1台目のパソコンでメールを受信してから、2台目のパソコンで初めて受信しようとするまでに、設定した日数を超えてしまうと、メールがもう削除されているので受信できません。

例えば14日後に削除する設定にしていて、1台目で受信してから15日後に2台目で受信しようとすると、もうメールは残っていないということです。

だから、余裕を持って30日や60日に設定しておくのも1つの方法です。ただし、その分メールサーバーからメールがすぐに消えないので、サーバーが重くなりやすくなります。

メールサーバーの容量を軽くするコツ

メールサーバーの容量がいっぱいになってきたら、どうすればいいでしょうか。

おすすめの方法は、容量の大きいメールから削除していくことです。

メールサーバーの機能にもよりますが、多くの場合、メールを容量順に並べ替えることができます。添付ファイルで重たいメールを見つけて、データ自体を自分のパソコンに保存しているのであれば、そのメールをサーバーから削除してしまえば、一気に容量を空けられます。

小さなメールを100件削除するより、大きなメールを10件削除する方が効率的です。

送信済メールの落とし穴

ここまで受信メールの話をしてきましたが、もう1つ大事なポイントがあります。

それは、送信済メールです。

POPで設定した場合、メールを送信すると、そのパソコンの送信済フォルダにはメールが入ります。でも、もう一台のパソコンの送信済フォルダには入りません。

つまり、会社のパソコンで送ったメールは、会社のパソコンでしか確認できないんです。自宅のパソコンからは「あれ、あのメール送ったっけ?」となってしまいます。

IMAPなら、この問題は起こりません。どのパソコンから送っても、送信済メールはサーバーに保存されるので、すべての端末から確認できます。

どちらを選べばいい?

結局、POPとIMAPのどちらがいいのでしょうか。

複数の端末で常に同じ状態のメールを見たいなら、IMAPがおすすめです。スマホで読んだメールは、パソコンでも既読になりますし、どこから送ったメールも、すべての端末で確認できます。また、パソコンを買い替えた時にメール設定をする場合もIMAPの方が楽な部分はあります。

送信も受信もきちんと管理したいのであれば、IMAPを利用してメールサーバーの容量を大きく設定しておくのが良いでしょう。

一方で、基本的に1台のパソコンでしか使わない、メールはパソコンにしっかり保存しておきたい、という人はPOPで十分です。

大切なのは、自分の使い方に合った設定を選ぶことです。

まとめ

同じメールアドレスを複数のパソコンで使うことは可能です。POPでもIMAPでも、設定次第でできます。

ただし、それぞれにメリットとデメリットがあるので、自分の使い方を考えて選びましょう。

そして、どちらの方法を選ぶにしても、メールサーバーの容量管理は忘れずに。定期的な整理が、快適なメール環境を保つコツです(^^)

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この記事を書いた人
T.kawano

T.kawano

宮崎生まれ、宮崎&長崎育ち。長崎西高、長崎大学経済学部卒。
在学中からWeb業に従事して約20年。人生の半分以上をWebに注いできました。

デザインからライティング、撮影、プログラミングまでやっており、専門家としてセミナーをしたり、Webでお困りの方の相談にも乗ってきました。

「話す・作るWebディレクター」として活動中。
器用貧乏を逆手に取り、ITの力を活用して少数精鋭の組織で動いています。

三児と一猫の父。趣味は「お笑い」「アニメ(狭く深く)」「バドミントンとそれに必要なトレーニング」
「優しく」「仕事ができ」「面白い」人間を目指して日々精進中。