アシックス──日本企業が世界でまた注目を集めている理由を掘り下げる

2324文字 Blog

アシックスの株価がこの数年で大きく伸びています。創業75周年を迎えたこの日本のスポーツ用品メーカーは、直近の決算で売上・利益ともに過去最高水準の見込みを発表し、株価もそれに応えて上昇基調にあります。

日常的に目にする「靴」のブランドですが、改めて考えると、なぜ今アシックスがここまで評価されているのでしょうか。今日はその理由を、私自身の視点も交えて整理してみたいと思います。

アシックスってどんな会社?

まずは基本から確認しましょう。アシックスは1949年に「オニツカタイガー」として創業し、1977年に現在の社名になった日本のスポーツ用品メーカーです。高機能ランニングシューズを中心に、シューズ、アパレル、アクセサリー類まで幅広く展開しています。

世界中で販売されているブランドで、直営店・フランチャイズ含め多くの店舗を展開。スポーツ競技者だけでなく、一般のランニング愛好者や、ライフスタイル用途でも人気が高まっています。

また、アシックスの中には「Onitsuka Tiger」というファッション性の高いブランドもあり、これは履き心地だけでなくデザイン性でも評価されています。

なぜ伸びているのか? いくつかのポイント

アシックス好調の背景にはいくつかの要因があります。

① 健康志向の高まり × ランニング人気の追い風

ランニング人口の増加や、健康志向の高まりを追い風に、アシックスのランニング・パフォーマンス製品は安定した需要を得ています。直近でも売上は前年同期比で約20%成長しているという報告があります。

特にコロナ禍以降は「在宅時間が増えたことで健康に目を向ける動き」が加速し、日常的な運動やウォーキング、ジョギングといったライトな運動でのシューズ需要も伸びています。

② 収益性の改善・選択と集中

アシックスはこれまでの不採算事業を整理し、利益率の高い製品・チャネルに集中する戦略を進めています。結果、営業利益率も改善しており、株価上昇にもつながっています。

具体的には、直営店やEC販売に力を入れる一方で、売れ行きの鈍いカテゴリの見直しを行い、効率的な事業運営を進めています。

③ グローバル戦略と地域市場への対応

アシックスは日本国内だけではなく、中国、北米、欧州、インドなど海外市場での販売も積極的です。特にインドでは現地製造比率を高めることで現地規制への対応と販売チャネル拡大を進めています。

また、既存のランニング市場だけでなく、世界的に人気の出ている種目やスポーツイベントとの連携を深めることで、ブランドの認知と浸透を進めています。

④ ビジュアル・トレンド戦略(スポーツ × ファッション)

アシックスは機能面だけでなく、デザイン面でも存在感を高めています。特に「SportStyle」やレトロ系・ファッション志向の製品が若者世代にも支持され、売上成長に寄与しています。さらに、有名デザイナーとのコラボレーションなども話題を呼んでいます。

このように、従来の「スポーツ用具メーカー」というイメージ以上に、多面的なブランド価値が構築されつつあるのです。

adidasやNikeなどとの違い

では、世界的大手ブランドであるadidasやNikeと比べるとどうなのかというと、両者はグローバルなスポーツ・ファッション全般をカバーする巨大企業です。一方、アシックスはもともとランニングやパフォーマンス用途に強い専門性を持つブランドとして出発しました。

Nikeやadidasは、トップスポーツ選手との契約、スポーツ全般へのアプローチ、ファッション界との結びつきが非常に強い。特にストリートファッションやスポーツカルチャー全体へ影響力があります。

対してアシックスは、「性能を追求するランナー」や「健康志向の一般層」へ訴求することに長けている点が一つの強みです。また、Onitsuka Tigerのようなファッション性を持つラインを別ブランドとして確立することで、両方の顧客層を取り込む戦略も奏功しています。

日本企業が世界で評価されることの意味

アシックスは日本発の企業であり、世界でその価値が高まっていることは、日本人として素直に嬉しいことだなと思います。

日本企業が海外市場で存在感を示すのは簡単なことではありません。文化も価値観も違う市場で、信頼を積み上げ、ブランドを育てる必要があります。その点で、アシックスが健康・機能・デザインという複数の価値を武器に成長しているのは、日本的な品質や真面目さが世界でも評価されている一例とも言えるでしょう。

もちろん、海外ブランドと比べるとまだまだ課題もあるようです。しかし、「日本企業が世界で勝負して評価される姿」を見ると、私自身もやはり励まされますし、日本の技術力やものづくりの強みを感じずにはいられません。

これからのアシックス、そして私たち

アシックスがここまで伸びてきた背景には、

  • 健康志向・ランニング人気という追い風
  • 選択と集中による収益性の改善
  • グローバル戦略の成功
  • スポーツ × ファッションという多面的ブランド展開

といった要素があるように思います。

そして何より、「日本のブランドが世界で存在感を示している」という事実は、日本人として誇らしいですし、私自身の仕事にも刺激になります。

これを大企業の話ではなく、私たち地方の企業も地域ビジネスや自社の価値を磨く上でアシックスのように強みを明確にし、変化を恐れず挑戦する姿勢を参考にできるはずです。

共に頑張りましょう(^^)

前の記事
この記事を書いた人
T.kawano

T.kawano

宮崎生まれ、宮崎&長崎育ち。長崎西高、長崎大学経済学部卒。
在学中からWeb業に従事して約20年。人生の半分以上をWebに注いできました。

デザインからライティング、撮影、プログラミングまでやっており、専門家としてセミナーをしたり、Webでお困りの方の相談にも乗ってきました。

「話す・作るWebディレクター」として活動中。
器用貧乏を逆手に取り、ITの力を活用して少数精鋭の組織で動いています。

三児と一猫の父。趣味は「お笑い」「アニメ(狭く深く)」「バドミントンとそれに必要なトレーニング」
「優しく」「仕事ができ」「面白い」人間を目指して日々精進中。