SNSは社内で発信すべきか、外部の人にしてもらうべきか
SNSマーケティングを始めようとすると、必ず出てくる悩みがこれです。
「自社で発信すべき?それとも外部の人にお願いすべき?」
先に答えを言います。
どちらも正解です
すみません、つまらない回答です。ですが、本当なのです。
「社内発信が絶対」とか「外部に任せるべき」とか、そんな単純な話ではないんです。企業の状況によって、正解は変わります。そして実は、うまくいってる企業の多くは、両方をバランスよく使い分けているんですよね。
社内で発信するメリット・デメリット
まず、社内で発信する良さから見ていきましょう。
公式アカウントからの発信なら、企業のメッセージをしっかりコントロールできます。「これは言っていいこと、これはダメ」という線引きがしやすいんです。炎上リスクも管理しやすいですし、何かあった時の対応も早くできます。
それに自社の製品やサービスについて一番詳しいのは、やっぱり社内の人間ですよね。技術的な詳細、開発の裏話、企業理念。こういった深いコンテンツは、内部の人間だからこそ語れるものがあります。外部に依頼する場合と違って、人件費として予算を組めるので、長期的な運用計画も立てやすいです。
ただし、デメリットもあります。社内の人間が自社製品について語ると、どうしても客観性が失われるんです。「この会社、自画自賛してるな」と思われてしまうことも。製品の良さを知りすぎているがゆえに、かえって魅力を伝えきれない。そんなジレンマもあります。
それに、日常業務もあるのにSNS運用も…となると、正直きついですよね。発信の方向性やルールを決め、投稿を続け、反応を確認し試行錯誤を繰り返す…これを継続するのは想像以上に大変です。
他にも業界用語だらけの投稿になっていたり、ユーザーが本当に知りたいこととズレていたり。社内の視点に閉じこもってしまう危険性もあります。
外部の人に発信してもらうメリット・デメリット
次は、外部発信の良さです。
インフルエンサーや一般ユーザーからの発信は、「広告じゃない声」として受け取られます。友人の「これ良かったよ」という一言が、どんな広告より効くのと同じです。購買行動に直結しやすいんですよね。様々なバックグラウンドを持つ外部発信者が、それぞれのコミュニティに向けて語ってくれることで、自社だけでは絶対に届かない層にアプローチできます。
外部の人ならではの自然な言葉や切り口が、思わぬ爆発的な広がりを生むこともあります。企業アカウントでは絶対に出せない「ゆるさ」や「本音」が、時に大きな反響を呼ぶんです。
もちろん、リスクもあります。意図しない形で製品が紹介されたり、誤った情報が拡散されたり。そんな可能性があります。炎上した時の対応も難しくなりますね。
そして何より、コストの問題があります。社内発信なら人件費だけで済みますが、外部に依頼するとなると、それなりの報酬が必要です。インフルエンサーの規模によっては、かなりの金額になることも。しかも、お金を払ったからといって必ず成果が出るわけではありませんし、効果測定も難しく、投資判断に悩むことが多いです。
それに、自社の製品やサービスを理解してもらうのに時間がかかります。社内の人間なら当たり前に知っていることでも、外部の人には一から説明しなければなりません。ブランドの世界観や、伝えたいメッセージのニュアンスを共有するのも大変なんです。
ただし、ここで一つ整理しておきたいのが、「外部の人のアカウントで発信してもらう場合」と「外部の人に自社アカウントの運用を依頼する場合」は違うということです。
インフルエンサーなど、外部の人が自分のアカウントで製品を紹介する場合は、報酬を得ているなら必ず「PR」「広告」の表記が必要です。これは法律で決まっています。ステルスマーケティング(略称でステマ)と見なされれば、企業の信頼を大きく損なうことになります。
一方で、外部の専門家やライターに自社の公式アカウントの運用を依頼する場合は、これは単なる業務委託です。ステマの心配はありません。「中の人」として運用してもらうわけですから、透明性の問題は生じないんですね。
それぞれで気をつけること
社内で発信するなら、「人間味」を大切にしましょう。完璧すぎる投稿よりも、中の人の個性が見える方が親しみを持たれます。「この会社、人間が運営してるんだな」って思ってもらえることが大事です。ただし、個人の意見と企業の公式見解は、しっかり線引きしておく必要があります。ガイドラインを作っておくと安心ですね。
外部に依頼するなら、パートナー選びが全てです。フォロワー数だけで選んではいけません。企業の価値観と合うか、エンゲージメント率は本物か、過去の発信内容に問題はないか。丁寧に見極めましょう。
両方を組み合わせる
実際のところ、多くの企業は両方を使い分けています。
例えば、公式アカウントでは正確な情報や公式見解、企業からのお知らせを発信して、外部発信者には体験談やリアルな使用感、ユーザー目線のレビューを語ってもらう。こんな風に役割分担すると、うまくいくことが多いです。
新製品発表なら、まず公式アカウントで正式にアナウンス。その後、外部のレビュアーに体験してもらって感想を発信してもらう。この流れも効果的ですよね。
また、段階的な考え方もできます。まずは社内で思うように進め、やはり専門家に頼む…という方法だとプロに頼む意義が分かるのでスムーズに進みやすくなります。
逆にまずは専門家にお願いをして、社内教育を同時に進めてもらう。最終的には社内で完結できるような道筋を作ってもらうというパターンもあります。
このようにSNSの発信は、自社でやるか外部にお願いするかを短絡的な視点では言い切れないということですね。
まとめ
「社内か外部か」という二択で考える必要はありません。大事なのは、「どの方向」で行き、時に「どう組み合わせる」かです。
自社の状況、目的、使えるリソース。これらを冷静に見極めて、柔軟に選択していく。それが、SNSマーケティングの面白さでもあり、難しさでもあるんです。
唯一の正解はありません。大事なのは「進むこと」です。成功でも失敗でも、進んだからこそ道が見え試行錯誤をすることができます。ぜひ自社なりの最適解を見つけていってください(^^)