WordPressで文章が崩れる謎~見えないコードの話~

2309文字 Blog, Web

お客様とのやりとりの中で、「なるほどなぁ」と思う瞬間がよくあります。今回は、WordPressで文章を編集している時によく起こる「不思議な現象」についてのお話です。

専門的になりすぎないよう、できるだけ分かりやすく説明してみたいと思います。

よくあるこんな困りごと

お客様から、こんなご相談をいただくことがあります。

「WordPressで文章を書いていたんですが、途中で太字にしたり、色を変えたりしているうちに、なんだか文字の表示がおかしくなってしまって…」

「ただ改行したいだけなのに、行間が空きすぎて段落みたいになってしまうんです」

「文字を追加したり削除したりしていたら、変なところで改行されたり、装飾がずれたりして困っています」

こういうこと、経験ありませんか?

実は見えないコードが原因

この現象、実はウェブサイト特有のものなんです。原因は「見えないコード」にあります。

文字の裏側に隠れているもの

私たちが画面で見ている文字は、実は単なる文字だけではありません。その裏側に「この文字は太字にする」「この部分は赤色にする」「ここで改行する」といった指示を書いたコードが隠れているんです。

例えば、画面上では「こんにちは」と普通に見えていても、裏側では「<span style=”font-weight:bold;”>こんにちは</span>」みたいなコードになっています。(これは簡略化した例ですが)

編集中に何が起こっているか

文章を書いている時、私たちは普通に文字を見て編集していますよね。でも、その裏側では見えないコードも一緒に動いています。

文字を追加したり、削除したり、装飾を変えたりしていると、この見えないコードが複雑に絡み合ってしまうことがあるんです。

料理に例えると分かりやすいかも

ちょっと料理で例えてみます。

文章を書くのは、材料を並べること。装飾を施すのは、調味料をかけることだと思ってください。

最初にきれいに材料を並べて、その後で調味料をかければうまくいきます。でも、途中で材料を足したり、順番を入れ替えたり、調味料をかけたり外したりを繰り返すと、どこに何がかかっているのか分からなくなってしまいますよね。

WordPressでも同じようなことが起こっているんです。

なぜこんなことが起こるの?

コードの範囲がずれてしまう

装飾のコードには「ここからここまで」という範囲があります。文字を追加したり削除したりすると、この範囲が意図しない形でずれてしまうことがあります。

例えば、「こんにちは」という文字全体を太字にしていたとします。その「こ」と「ん」の間に新しい文字を入れたら、コードが混乱して変な表示になってしまう、ということが起こるんです。

改行コードが増殖する

改行にも実は種類があって、「段落の改行」と「ただの改行」があります。Enterキーだけ押すと段落の改行、Shift+Enterだと単純な改行になります。

編集を繰り返しているうちに、この改行コードが意図せず増えてしまったり、間違った種類の改行が入ってしまったりすることがあります。だから、ただ改行したいだけなのに、変に行間が空いてしまうんです。

解決方法は「リセット」

こういう状態になってしまった時、一番確実な解決方法があります。

一度クリーンにする

おかしくなってしまった部分の文字をいったん全部削除して、装飾も全部取り払います。つまり、まっさらな状態に戻すんです。

その後、改めて文字をきちんと入力し直して、最後に装飾を施す。この順番でやれば、コードもきれいに整理されて、表示も正常に戻ります。

具体的な手順

  1. おかしくなっている部分の文字を選択して削除
  2. その部分に、装飾なしで文字を入力
  3. 改行も必要なところだけ、きちんと入れる
  4. 最後に、太字や色などの装飾を施す

この順番を守るだけで、かなりの問題が解決します。

予防するためのコツ

最初から順番を意識する

文章を書く時は、まず文字だけをしっかり入力してから、後で装飾する。この順番を守ると、コードが混乱しにくくなります。

こまめに保存して確認

編集途中でも、こまめに保存してプレビューで確認する習慣をつけると、おかしくなった時にすぐ気づけます。

あまり複雑な装飾は避ける

色を変えて、太字にして、さらに背景色もつけて…と装飾が複雑になるほど、コードも複雑になります。シンプルな装飾を心がけると、トラブルも減ります。

ウェブの世界はコードでできている

今回のお話で伝えたかったのは、「ウェブサイトの文字は、見た目だけじゃなくて、裏側にコードがある」ということです。

普段は意識しなくても問題ありませんが、こういうトラブルが起きた時は、「ああ、裏側でコードが絡まってるんだな」と思い出してください。そうすれば、「一度リセットしてやり直そう」という解決法にたどり着けます。

困った時は色々頑張るよりも「リセット」

試行錯誤をするのが必要な場合もありますが、ごちゃごちゃになっている場合は一度スタートに戻ってみることも大事です。

ウェブの世界って、こういう見えない仕組みがたくさんあるんですね。知っておくと、トラブルの時に慌てずに済みます。

もし「どうしても直らない!」という時は、遠慮なくご相談ください。裏側のコードを直接見て、きれいに整理させていただきます。

見えないコードと仲良く付き合っていきましょう (^^)

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この記事を書いた人
T.kawano

T.kawano

宮崎生まれ、宮崎&長崎育ち。長崎西高、長崎大学経済学部卒。
在学中からWeb業に従事して約20年。人生の半分以上をWebに注いできました。

デザインからライティング、撮影、プログラミングまでやっており、専門家としてセミナーをしたり、Webでお困りの方の相談にも乗ってきました。

「話す・作るWebディレクター」として活動中。
器用貧乏を逆手に取り、ITの力を活用して少数精鋭の組織で動いています。

三児と一猫の父。趣味は「お笑い」「アニメ(狭く深く)」「バドミントンとそれに必要なトレーニング」
「優しく」「仕事ができ」「面白い」人間を目指して日々精進中。