思わぬバズり方をした『ヨヤクナシデスグハイレル』
思わぬことでバズることってありますよね。今回紹介したいのは、大阪・関西万博のインドネシアパビリオンの話です。
「ネガティブに見えることを、逆に強みにする」という、マーケティングの教科書のような出来事がありました。

「予約なし」は不人気の証?
大阪万博では、多くの人気パビリオンが事前予約制になっています。予約が取れないほど人気、というのが一つのステータスになっているような状況です。
逆に言えば、「予約なしで入れる」というのは、一見すると「人気がない」「空いている」というネガティブな印象を与えかねません。
でも、インドネシアパビリオンのスタッフたちは、この「予約なし」を逆手に取りました。
「ヨヤクナシデスグハイレル!」
なんと、スタッフたちが「ヨヤクナシデスグハイレル!」という即席の歌を作って、来場者に向かって歌って踊ったんです。
「Reservation? Not Needed!(予約はいりません!)」「ヨヤクナシデスグハイレル!」といったフレーズを織り込んだ、明るく楽しいパフォーマンスです。
これが、とてもキャッチーで印象的だったようです。来場者の心理的なハードルを下げる効果があっただけでなく、「体験として面白い」「誰かに教えたくなる」という要素を持っていました。
「月曜から夜ふかし」で紹介されて拡散
そして、このパフォーマンスが2025年8月4日放送の「月曜から夜ふかし」で紹介されました。
「ヨヤクナシガールズ」として番組で取り上げられたことで、一気に話題になります。テレビで見た視聴者が「あのパビリオン、面白そう!行ってみよう!」と思うようになったんですね。
SNSでも動画が拡散され、「テレビで見たから来ました」「あの”ヨヤクナシ”ダンス見て行ってみた」という投稿が増えていきました。
結果、単日来場者数30,580人を記録
そして、2025年8月13日、インドネシアパビリオンは単日来場者数30,580人という記録を達成しました。
来場者累計も200万人を突破。8月17日にはインドネシアの独立80周年という節目に達成されています。
「予約なしで入れる=人気がない」というネガティブなイメージは、完全に覆されました。むしろ、「予約なしで気軽に入れる」ことが強みになったんです。
実際、来場者の声を見ると「待ち時間が10〜15分程度だった」「予約制のパビリオンは取れなかったけど、こっちはすぐ入れた」といったポジティブな反応が多くありました。
ネガティブを強みに変える発想
この事例から学べることは、「ネガティブに見えることでも、見せ方次第で強みになる」ということです。
「予約なし」というのは、確かに一見すると「人気がない」という印象を与えます。でも、それを「気軽に入れる」「敷居が低い」「並ばなくていい」というメリットとして打ち出せば、全く違う印象になります。
しかも、それを楽しいパフォーマンスにして、来場者の記憶に残るようにした。これが本当に素晴らしいですね。
思わぬことでバズる
もう一つ面白いのは、「思わぬことでバズる」という点です。
インドネシアパビリオンは、展示デザイン部門で銀賞を受賞するなど、本来は展示内容や文化紹介が評価されている立派なパビリオンです。
でも、一般の人々の間で最も話題になったのは、「ヨヤクナシデスグハイレル」という歌でした。真面目な展示内容ではなく、スタッフの即興的なパフォーマンスがきっかけだったんです。
こういう「予想外のところでバズる」ということは、よくあることなんですよね。マーケティングで計算し尽くしたものより、現場の人たちの工夫や遊び心が、思わぬ形で人々の心を掴むことがあります。
ビジネスにも応用できる考え方
この話は、ビジネスにも応用できると思います。
自社の弱みだと思っていることが、実は強みになるかもしれない。見せ方を変えるだけで、全く違う印象を与えられるかもしれない。
例えば、「小さな会社」というのは一見弱みに見えますが、「フットワークが軽い」「柔軟に対応できる」という強みとして打ち出せます。
「歴史が浅い」も、「最新の技術を取り入れやすい」「しがらみがない」という強みになります。
大切なのは、ネガティブに見えることを隠すのではなく、堂々と出して、それを強みに変える発想を持つことなんだと思います。
インドネシアパビリオンの「ヨヤクナシデスグハイレル!」は、そんなことを教えてくれる素敵な事例でした(^^)
ちなみに
ススンデクダサイ〜ツメテクダサイ〜(進んでください、詰めてください)
これは第二弾の歌です。
予約なしで入れるは入れるみたいですが、行列ができるようになったのでこの歌が第二弾となったようです。機転が利いていてまた面白いですね(^^)
ちなみに、このことはインドネシア本国でも人気が出ているようです。素晴らしい!
