鎌倉駅周辺で一人でも満喫できるパンダバル(PANDA BAR)|鎌倉市御成通りのスペインバル

2759文字 Blog, シリーズ『旅と飲食』

昨晩は鎌倉での宿泊。せっかくの初の鎌倉。なので夜ご飯と飲みは絶対に良い店にしたい。その選定により宿を出てから30分以上かけて周辺を歩き回っていました。

「どこか良さそうなお店はないかな」と探しながらも、外から店内の雰囲気や掲示してあるメニューをちらちらとチェック。というのも、一人で飲んで食べるとすぐにお腹いっぱいになってしまうので、できれば小皿料理やつまみが色々あるお店が理想。あと、店内が一人でも入りやすそうかどうかは、かなり重要なポイントです。

さらに言うと、せっかくの鎌倉の夜。街の雰囲気も一緒に楽しみたいので、テラス席があるとか、外の景色が見えるような席があると嬉しいなと思いながら歩いていました。

しばらくして思い出したのが、鎌倉駅から宿に向かう途中に見つけていた一軒の店。その時はまだチェックイン前だったのですが、細長い店構えに小さなテラス席が一つ。雰囲気も良さそうだったので「ここ、気になるな」となんとなく心に残っていました。

その店の名前は「パンダバル」。

しばらく歩き回ったあとで、その店の前にたどり着いた時、「やっぱりここが一番良さそうだな」と思い出しました。小さなテラス席は4人用のようで、一人で座るには申し訳ない。なので、入り口に近いカウンター席を選んで座ることにしました。

まずは一杯、スペインのビール「エストレーシャ・ガリシア」

メニューを開くと、料理は多すぎず、少なすぎず。そして小皿料理がしっかり揃っていて、お酒との相性を意識した構成になっています。お酒の種類も豊富で、まずは「エストレーシャ・ガリシア」というスペインのビールを頼んでみることにしました。

目の前に立つ専用サーバーもかっこよく、メニューの一番上に載っていたことから、お店の看板ドリンクなのだと思います。

一口飲んでみると、すっきりとした飲み口で、苦みが強すぎず、爽快感のあるビール。どちらかといえば軽やかで、最初の一杯にぴったりの味わいです。スペインビールならではの爽やかさがありながら、しっかりとしたコクもあって、おつまみとの相性も抜群でした。

ピンチョスから始まる満足の夜

最初のフードは「ピンチョス」。スペインの小皿料理で、パンの上に具材をのせて楊枝などで止めた一口サイズの軽食です。

この日は鎌倉名物のしらすが乗ったピンチョスがあって、「ならでは」メニューならぜひこれは頼もうと即決。食べてみると、ガーリックトーストの香ばしさとしらすの塩味、旨味が合わさって最高の組み合わせ。ピンチョスは人気メニューで色々な種類があったはずですが、ディスプレイされていた中でこれが最後の1つ。人気メニューであることがうかがえます。これは本当にオススメ。

続いてはオリーブ。程よい塩気と食感で、お酒のつまみとしては鉄板。いわば洋風の漬物的な立ち位置で、口直しにもぴったり。

さらにチョリソ。ここでのチョリソはウインナーではなく、パプリカ風味のスパイシーなサラミ。肉の旨味がぎゅっと詰まっていて、じわっとくる塩味がビールにとにかく合う。ピンチョス、オリーブ、チョリソとウマいビール…最高の店です!

チーズとビールの幸せな組み合わせ

ここで「マンチェゴ・チーズ」も注文。山羊乳から作られたスペインのハードタイプのチーズです。見た目はシンプルだけど、一口食べると意外なほどに濃厚。風味が強すぎるわけではなく、でもしっかりと存在感があって、少量でも満足感があります。

このチーズをチョリソと一緒に食べると、塩味と旨味のバランスが絶妙に整って、まさに至福の一口。そこに先ほどのオリーブを加えて、ビールで流すと、完全なフォーメーションが完成しました。

2杯目のビールは「マオウ」

次に頼んだのは、スペインの瓶ビール「マオウ」。ホップの香りとモルトのコクがほどよく効いていて、エストレーシャ・ガリシアよりもややビターな印象。どちらも個性があって飲みやすく、食事と一緒に楽しむにはちょうどいいバランスでした。

そして、ここで出てきた料理がこの日一番の感動メニュー。

トルティージャで気づく「優しい味」の魅力

スペイン風オムレツ「トルティージャ」。定番のじゃがいもと玉ねぎに加えて、今回は「季節の鎌倉野菜とチーズ入り」のバージョンをオーダーしました。

見た目もきれいで、サイズ感もちょうどよく、そして一口目で「これ…うまい…」とニンマリしてしまいました。ふんわりとした食感、野菜の甘み、鎌倉野菜を食べているという「ならでは」メニューの満足感、チーズのコク、すべてが優しいのに印象に残る。派手な味ではないけれど、だからこそ何度も食べたくなる。お腹に余裕があればあと5個くらい食べたかったほどです。

店主との出会いと、最後のビールたち

3杯目には「ヒューガルデン・ホワイト」。ベルギーの白ビールで、オレンジピールやコリアンダーの香りがほんのりと感じられ、フルーティーで飲みやすい一本。生で提供されているのも嬉しいポイントでした。

この頃になると店主の女性の方が「地元の方ですか?」と声をかけてくださり、「長崎から来ました」と答えると驚かれながらも笑顔で会話が始まりました。品のある、優しい雰囲気の方で、あのトルティージャの柔らかさはきっとこの方の人柄から生まれているんだろうなと納得。

その後、隣に座っていた方とも会話がはじまり、最後には一緒に乾杯するほどに。こういう一人飲みの“交流”が、旅先での飲みの醍醐味だと思います。

最後の締めは「イネディット」

4杯目は「アルハンブラ」。スペインのピルスナースタイルで、すっきりとしたのどごしとキレのある味わい。チーズやトルティージャのようなやさしい料理にも合う、上品なビールでした。

最後の一杯に選んだのは「イネディット」。ちょっと高級なビールですが、この店では良心的な価格で出されていて、隣のお客さんが熱く語ってくれた一本。飲んでみると、確かに他のビールとはひと味違い、泡のきめ細かさ、味の重なり方、どれをとっても贅沢で締めにふさわしい一杯でした。

鎌倉にまた来たら、必ず寄りたい一軒

もともとは何軒かはしごしようと思っていたのですが、あまりの居心地の良さに閉店までこのお店で過ごしてしまいました。それでもまったく後悔のない、むしろ「また来たい」と思わせてくれる素晴らしいお店でした。

鎌倉で一人飲みをしたい方、小皿で色々つまみながらゆっくり飲みたい方、そして美味しいビールや食事と出会いたい方、いや、2人でも4人でも心からおすすめしたい「パンダバル」。またこの場所に来ることを楽しみにしています(^^)

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この記事を書いた人
T.kawano

T.kawano

宮崎生まれ、宮崎&長崎育ち。長崎西高、長大経済学部卒。
在学中からWeb業に従事して約20年。人生の半分以上をWebに注いできました。

デザインからライティング、撮影、プログラミングまでやっており、専門家としてセミナーをしたり、Webでお困りの方の相談にも乗ってきました。

「話す・動く・作るWebディレクター」として活動中。
器用貧乏を逆手に取り、ITの力を活用して少数精鋭の組織で動いています。

三児と一猫の父。趣味は「お笑い」「アニメ(狭く深く)」「バドミントンとそれに必要なトレーニング」
「優しく」「仕事ができ」「面白い」人間を目指して日々精進中。