第3章:ホームページとSNSの使い分け (3)併用することで生まれる相乗効果

2389文字 Blog, Web, 知識・知恵

SNSとホームページ、それぞれに得意な役割があります。
SNSは拡散力やリアルタイム性に優れ、日々の発信や人との距離感を近づけるには最適。
一方で、ホームページは情報の整理や信頼性の確保、検索からの新規顧客獲得など、企業や店舗の“公式な顔”として機能するメディアです。

このふたつを別々のものとしてではなく連携させて運用することで、それぞれの弱点を補い長所を引き出す「相乗効果」が生まれます。
今回は、その相乗効果の具体例や活用パターンをご紹介します。

1. SNSで出会い、ホームページで信頼を得る導線づくり

SNSは、“まず知ってもらう”ための入口として非常に優れたツールです。
Instagramでのビジュアル訴求、Xでの軽い発信、TikTokでのショート動画など、ライトに届ける力は抜群。

でも、SNS上だけではどうしても情報が断片的になります。
「どんなサービスをしているの?」「料金はいくら?」「どこにあるの?」「信頼できるの?」
こうした“知りたいけど、SNSだけでは分からないこと”を補うのがホームページの役目です。

たとえば飲食店であれば、

  • SNSに日替わりランチの写真を投稿
    → そこから「詳しいメニューは公式サイトへ」
    → サイトでは営業時間・席数・駐車場の有無・予約方法まで丁寧に案内

このようにSNSで“出会って”、ホームページで“詳しく知ってもらう”流れがあると、ユーザーにとっても行動がスムーズになります。

また、SNSでは「共感」「人柄」「親しみやすさ」を、ホームページでは「実績」「信頼性」「サービスの強み」をそれぞれ訴求できるので、感情と理性の両面からアプローチできるのも大きなメリットです。

2. ホームページの情報をSNSで“再編集”して届ける

一方で、ホームページに丁寧に載せている情報も、ただ置いているだけでは見てもらえません。
そこで活用したいのが、SNSを“再編集・再発信の場”として活かす方法です。

たとえば、ホームページのブログで「お客様からよくある質問」をまとめている場合、

  • その中のひとつを抜粋して、Instagramのストーリーズで1問1答形式で紹介
  • 投稿の最後に「もっと詳しく知りたい方はプロフィールのリンクから」

こうすることで、SNSがホームページへの“流入口”になり、情報にたどり着く導線ができます。

また、たとえば美容室やネイルサロンなら、

  • ホームページに載せた施術例やビフォーアフターを、SNSでスライド形式に再構成
  • リールや動画にして、ホームページでは見せきれない「動き」や「雰囲気」を伝える

といったように、SNSとホームページで同じ情報を異なる見せ方で展開することで、理解度も親近感も深まり、結果として問い合わせや予約に繋がりやすくなります。

3. コンテンツの再利用で、運用の効率もアップ

情報発信を続けるのって、実はとても大変。
特に、ひとりで広報やマーケティングを兼務しているような中小企業や個人事業では、「発信のネタが尽きる」「手が回らない」という悩みも多いはずです。

ここでも、SNSとホームページの併用運用が効いてきます

たとえば:

  • ホームページに投稿したブログ記事を、3つに分割してSNSで3日連続で小出しにする
  • SNSで反応が良かった投稿のテーマを、ホームページで深掘りしたコラムに展開する
  • 一つの「お客様の声」をSNSでは感想の抜粋+写真、ホームページでは全文+実績写真+補足解説

このように、ひとつのコンテンツを複数の切り口で展開することで、発信の効率が上がるだけでなく、接触回数も増えるため、ユーザーの記憶に残りやすくなります。

情報は「一度だけ届けて終わり」ではなく、「何度も角度を変えて届ける」ことが重要です。

4. 導線の設計でアクセスを循環させる仕組みづくり

SNSとホームページの併用をするなら、お互いをしっかりリンクさせる導線設計も忘れてはいけません。

具体的には

  • SNSプロフィール欄には「公式サイトURL」を必ず設置
  • ホームページのヘッダー・フッター・記事内にSNSアイコンを設置
  • ブログやお知らせの下に「最新情報はInstagramでも発信中!」などの案内を入れる
  • SNSの投稿内で「◯◯については、ホームページにまとめました」と自然に案内する

こうした導線がしっかりしていれば、SNSから来た人がホームページに、
ホームページから来た人がSNSに——と情報の流れが循環しやすくなります

そして何より、「どこから来たユーザーでも迷わない設計」が、信頼感と利便性の向上につながります。

2つのメディアをつなぐことで、可能性は倍以上に広がる

ホームページとSNS。
それぞれに「得意なこと」と「苦手なこと」があります。
でも、それを知ってうまく使い分ければ、ただ“2つの発信手段がある”だけでなく、補完し合い、結果として“3倍、4倍の効果”を生むメディア戦略ができるようになります。

✔ SNSは、日々の出来事を軽やかに伝える。
✔ ホームページは、確かな情報と信頼を届ける。
✔ 両者を行き来させることで、出会いからファン化、そして顧客化へ。

どちらも“使ってるけど、うまくつながっていない”というケースは少なくありません。
だからこそ、「設計」と「連携」が重要なポイントです。

次回は「第4章:どんな業種・事業にホームページが必要か?」へと進みます。
ホームページの必要性は、業種や規模によっても違います。
次は、業界ごとの事例を交えながら、その違いを見ていきましょう(^^)

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T.kawano

Web業に従事して約20年。人生の約半分以上をWebに費やしてきました。 長崎県産業労働部や商工会議所の専門家としてセミナーをしたりWebでお困りの方の相談にも乗っていました。 デザインからライティング、撮影、プログラミングまでやっており、 「つくって話せるWebディレクター」として活動中。 月間約700,000PVのwebサイト運営、フォロワー約15,000人のSNS運営の実績を元にWeb集客や、日常を語ります。 三児と一猫の父。趣味はバドミントンとお笑い。 「優しい」のに「仕事ができ」て「面白い」人間を目指して日々精進中。