福山雅治さんプロデュース「長崎の変」~地域活性化プロジェクトの面白いアイデア~

3140文字 Blog, Nagasaki

このかわいい猫のイラストを見たことがある人もいると思います。

私もなんとなく知っていたぐらいだったので調べた所、福山雅治さんがクリエイティブプロデューサーを務める「長崎の変」という地域活性化プロジェクトだということが分かりました。調べれば調べるほど、面白いアイデアが詰まったプロジェクトで、地域づくりのヒントがいっぱいありそうです。今回は、この「長崎の変」について詳しくご紹介したいと思います。

「長崎の変」って何?

「長崎の変」は、2021年3月から始まった長崎県の地域活性化プロジェクトです。「日々のちょっとした挑戦が、新たな変化を起こして長崎県を元気にする」という想いが込められています。

プロジェクトの背景にあるのは、長崎県が抱える人口減少という課題です。でも、この課題に対するアプローチがとてもユニークなんです。単に「人口減少が大変だ」と嘆くのではなく、「変化をおもしろがりながら、新しいチャレンジを応援しよう」という前向きな姿勢で取り組んでいます。

福山雅治さんがクリエイティブプロデューサーとして参加しているのも大きな特徴で、彼のコメントが印象的でした。「人も文化も、自然も動物たちも、誰もが楽しみながら、より良い未来に向けて前に進んで行くきっかけになれば」という想いで参加されているそうです。

キャラクター「にゃーが」の愛らしさ

このプロジェクトのシンボルキャラクターが猫の「にゃーが」です。実は最初、この猫キャラクターには名前がなかったそうなんですが、2022年3月に名前を募集したところ、なんと1,841件もの応募があったそうです。

そして決定した名前が「にゃーが」。でも、これだけじゃありません。実は『にゃーが・さき・にゃいす・チェンジ・せにゃ・スマイル・きらり・ココ・がんばるにゃん』という長〜い本名があるんです!

この長い名前には「長崎ナイス!チェンジせにゃ!スマイルをきらりとさせて、ここで、がんばろう!」というメッセージが込められているそうで、遊び心満載ですよね。こういう細かい工夫が、プロジェクト全体を親しみやすくしているんだと思います。

豪華すぎる出演陣

「長崎の変」のスペシャルムービーには、長崎出身の著名人がたくさん参加されています。しかも、みんな猫の声で出演するという設定が面白い!

第1弾には、福山雅治さん、仲里依紗さん、長濱ねるさん、蛭子能収さん、高田明さん、前川清さん、役所広司さんという豪華メンバーが「にゃんとかせんば!」と長崎を盛り上げようと呼びかけています。

第2弾では、さらにEXILE TAKAHIROさんや演出家の野田秀樹さんも参加して、プロジェクトの広がりを紹介しています。

長崎出身の著名人がこれだけ集まって、しかも猫の声で地元を応援するなんて、他の地域では見たことがありません。きっと、福山さんの人望や長崎への愛情があってこそ実現できたんでしょうね。

県内5か所に設置された「にゃーが」オブジェ

2025年5月22日(にゃんにゃんの日)に、県内の主要な観光地や駅に5種類の「にゃーが」オブジェが設置されました。設置場所は以下の通りです

  • シロ:稲佐山展望台
  • サバトラ:がまだすドーム(雲仙岳災害記念館)
  • トラ:長崎県庁
  • クロ:諫早駅
  • ミケ:佐世保駅

高さ約72cm、幅約48cm、奥行き約55cmのサイズで、FRP(繊維強化プラスチック)製なので屋外に設置しても大丈夫。待ち合わせ場所やフォトスポットとして活用されることを想定しているそうです。

それぞれ表情や色が違うらしいんですよね。観光地を巡りながら「にゃーが」を探す楽しみも生まれそうですね。

地域活性化プロジェクトとしてのポイント

「長崎の変」を地域活性化プロジェクトの事例として見ると、いくつか優れたポイントがあります。

親しみやすいキャラクター設定 猫というのは、年齢や性別を問わず愛されるキャラクターです。しかも「にゃーが」という名前の親しみやすさと、長い本名のユーモア。

正式な本名は、『にゃーが・さき・にゃいす・チェンジ・せにゃ・スマイル・きらり・ココ・がんばるにゃん』。

これを聞いた時、画家のピカソを思い出しました(^^)

県民参加型のアプローチ キャラクターの名前を県民から募集したり、様々な取り組みを「変化」として紹介したり、県民が参加できる仕組みがたくさん用意されています。これにより、「自分たちも長崎の変の一部」という当事者意識が生まれています。

観光との自然な連携 オブジェの設置場所が観光地や交通の要所になっていて、県内周遊を促進する効果も期待できます。単なるPRではなく、実際の観光行動につながる工夫がされています。

継続性のある展開 2021年開始から4年以上経った今でも新しい展開があり、2025年8月には着ぐるみも完成するなど、一時的なキャンペーンではない継続性があります。

他の地域でも参考になりそうなポイント

「長崎の変」から、他の地域の活性化でも参考になりそうなポイントをいくつか挙げてみます。

地元出身の著名人との連携 福山雅治さんをはじめとする著名人の協力は大きな力になっています。ただし、単なる一方的なお願いではなく、彼らも「故郷への愛情」を込めて参加されているのが伝わってきます。

「課題」を「チャンス」として捉える発想 人口減少という深刻な課題を、「変化を楽しむ」「チャレンジを応援する」という前向きなメッセージに転換している点が素晴らしいです。

長期的な視点での取り組み 一発の大きなイベントではなく、継続的な取り組みとして展開している点も重要です。地域活性化は一朝一夕には実現できませんから、こうした息の長い取り組みが大切ですね。

プロジェクトから学ぶ「愛される」要素

「長崎の変」が多くの人に愛されている理由を考えてみると、以下のような要素があると思います。

まず、「押し付けがましくない」こと。「長崎をPRしなきゃ」という義務感ではなく、「楽しいから参加したい」と思わせる雰囲気があります。

次に、「完璧すぎない」こと。キャラクターの長すぎる本名や、猫の声で出演する著名人など、少しゆるい感じが親しみやすさを生んでいます。

そして、「地元愛が伝わる」こと。参加している人たちの長崎への本当の愛情が伝わってくるから、見ている人も応援したくなるのでしょう。

「変化」を楽しむという発想

「長崎の変」というネーミングにも深い意味があると思います。普通「変」というと、何かおかしいとか変わったという意味で使われることが多いですが、ここでは「変化」「チェンジ」という前向きな意味で使われています。

変化や挑戦を恐れるのではなく、「おもしろがる」という姿勢。これは、地域活性化だけでなく、私たちの仕事や人生においても大切な考え方かもしれませんね。

まとめ

「長崎の変」は、地域活性化プロジェクトの成功事例として、とても参考になる取り組みだと思います。著名人の力を借りながらも、県民参加型で継続性があり、何より「楽しさ」を大切にしているところが魅力的です。

県内各地の「にゃーが」オブジェも、単なるPRオブジェを超えて、地域の新しいランドマークになりそうな予感がします。

皆さんも長崎にお越しの際は、ぜひ「にゃーが」を探してみてください。きっと、長崎の新しい魅力を発見できるはずです。そして、自分たちの地域でも「変化を楽しむ」取り組みができないか、考えてみるきっかけにしてもらえればと思います (^^)

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この記事を書いた人
T.kawano

T.kawano

宮崎生まれ、宮崎&長崎育ち。長崎西高、長崎大学経済学部卒。
在学中からWeb業に従事して約20年。人生の半分以上をWebに注いできました。

デザインからライティング、撮影、プログラミングまでやっており、専門家としてセミナーをしたり、Webでお困りの方の相談にも乗ってきました。

「話す・作るWebディレクター」として活動中。
器用貧乏を逆手に取り、ITの力を活用して少数精鋭の組織で動いています。

三児と一猫の父。趣味は「お笑い」「アニメ(狭く深く)」「バドミントンとそれに必要なトレーニング」
「優しく」「仕事ができ」「面白い」人間を目指して日々精進中。