佐世保市の小中学校体育館に空調設置

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先日、「佐世保市の小中学校体育館に空調設置」というニュースを目にしました。災害時の避難所に指定されている10校の体育館に、初めて冷暖房設備が導入されるとのことでした。

この記事を読んで最初に思ったのは、「良かった!」そして、「こんな気候になってしまったんだな」という感慨でした。私が子どもの頃は、学校の体育館といえば夏は蒸し風呂状態、冬は底冷えするのが当たり前。それが今では避難所として使う時のことを考えて、空調を設置するまでになったんですね。

昔の避難所といえば…

振り返ってみると、昔の避難所のイメージってどんなものだったでしょうか。

体育館の床に毛布を敷いて雑魚寝、夏は扇風機が数台あれば良い方、冬は毛布を重ねて寒さをしのぐ…そんな光景がテレビのニュースでよく映されていました。「避難所なんだから多少の不便は仕方ない」という考え方が一般的だったと思います。

でも最近の災害を見ていると、避難生活が長期化することも珍しくありません。東日本大震災や熊本地震、各地で起きる豪雨災害など、数週間から数ヶ月にわたって避難所生活を余儀なくされるケースが増えています。

そうなると、「多少の不便は仕方ない」では済まない問題が出てきます。特に高齢者や体調を崩しやすい方にとって、真夏の暑さや真冬の寒さは健康に直結する深刻な問題です。

エアコンが「当たり前」になった時代

考えてみれば、私たちの生活でエアコンが「当たり前」になったのも、そんなに昔のことではありません。

30年前くらいまでは、一般家庭でエアコンがあるのはリビングだけ、各部屋にエアコンがあるなんて贅沢品という時代でした。夏は扇風機、冬はコタツやストーブ、布団には湯たんぽで乗り切るのが普通でしたよね。

それが今では、ほぼ全ての部屋にエアコンがあるのが標準的になりました。特にここ数年の猛暑で、「エアコンは贅沢品ではなく、命を守るための必需品」という認識が広がったと思います。

学校でも同じで、昔は「子どもは暑さ寒さに強いもの」「多少の我慢は教育」なんて言われていましたが、今では普通教室にエアコンが設置されるのが当たり前になりました。

先日、娘の授業参観で小学校を訪れた時にも、この変化を実感しました。教室に入ると立派なエアコンが設置され、子どもたちが集中して勉強できる環境が整っていました。その日は避難訓練も兼ねていたのですが、「昔の自分が通っていた学校とは大違いだな」としみじみ思いました。

私が小学生の頃なんて、夏は汗だくで授業を受けるのが当たり前でしたからね。でも実際に今の気温を考えると、エアコンなしで子どもたちに勉強させるなんて考えられません。昔と比べて明らかに暑くなっているし、健康面を考えても必要不可欠な設備だと感じます。親としても、学校がしっかりと環境を整えてくれているのは本当にありがたいことです。

避難所の環境改善は必然の流れ

そう考えると、避難所へのエアコン設置は自然な流れなのかもしれません。

日常生活でエアコンのある環境に慣れた人たちが、災害時だけ昔ながらの環境で過ごすというのは、現実的ではないですし、健康面でもリスクが大きすぎます。

特に長崎の夏の暑さは年々厳しくなっているように感じます。昔なら「暑いなあ」で済んでいた気温が、今では熱中症のリスクがある危険な暑さになっています。冬も、底冷えする体育館で高齢者が一晩過ごすことを考えると、やはり暖房は必要だと思います。

個人的に言えば、私がやっているバドミントンの社会人クラブ中も体育館にエアコンが効いてくれると嬉しいなと思います!基本的に窓を閉めて無風の状態にしないといけないバドミントンは夏は地獄の暑さになります。学生の部活とかでも…とは思いますがそれはなかなか難しいでしょうね…

夏に試合がある時はあまりにも熱気がこもるので10分間窓を開ける全体休憩が入る時があります。試合の時ぐらいはエアコンを入れるのもありかもしれませんね。

2500万円という投資の価値

今回の佐世保市の取り組み、調査・設計費だけで約2500万円とのこと。決して安くない金額ですが、この投資の価値は大きいと思います。

もちろん、普段使う時の電気代などのランニングコストは課題になりそうですが、いざという時に市民の命と健康を守ることを考えれば、必要な投資ではないでしょうか。

何より、「災害時でも最低限の快適さは確保されている」という安心感は、地域住民にとって大きなメリットです。避難を躊躇して被害が拡大するようなことも防げるかもしれません。

全国的に進む避難所環境の改善

調べてみると、避難所の環境改善は全国的な流れのようです。

エアコンの設置だけでなく、プライバシーを確保するための間仕切り、洋式トイレの設置、Wi-Fi環境の整備など、様々な改善が進んでいます。

コロナ禍を経験して、避難所での感染症対策の重要性も再認識されました。密を避けるためにも、より多くの避難所で快適な環境を提供できることが重要になっています。

災害への備え方も変わってきた

避難所の環境が改善されることで、私たち住民の災害への備え方も変わってくるかもしれません。

「避難所は辛いから、できるだけ自宅にいたい」と思っていた人も、「避難所の方が安全でそれなりに過ごせるなら、早めに避難しよう」と判断しやすくなるでしょう。

特に高齢者や小さな子どもがいる家庭では、避難所の環境が改善されることで、避難のハードルが下がることは大きなメリットです。

長崎県内の他の自治体はどうなのか

佐世保市の取り組みを見て、気になったのが長崎県内の他の自治体の状況です。軽く調べてみたところ、まだまだ体育館にエアコンがない避難所が多いようです。

もちろん、自治体によって財政状況や優先課題が違うので、一律に「すぐに設置すべき」とは言えませんが、今回の佐世保市の取り組みが他の自治体にも良い影響を与えることを期待したいですね。

国の交付金を活用しているということなので、そういった制度を上手に使えば、他の自治体でも実現可能なのかもしれません。

まとめ:当たり前の基準が変わる時代

佐世保市の体育館空調設置のニュースを見て、改めて感じたのは「当たり前の基準が変わっている」ということでした。

昔は「災害時なんだから不便で当然」だったものが、今では「災害時でも最低限の環境は整えるべき」に変わってきています。これは決して贅沢になったということではなく、時代に合わせた必要な変化だと思います。

2026年度中には佐世保市の10校で空調が使えるようになり、その後も順次拡大していく予定とのこと。実際に災害が起きないことが一番ですが、もしもの時には多くの人にとって心強い設備になることでしょう。

こういった地道な改善の積み重ねが、災害に強い地域づくりにつながっていくのだと思います。長崎県内の他の自治体でも、できるところから少しずつでも環境改善が進んでいくことを期待しています(^^)

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この記事を書いた人
T.kawano

T.kawano

宮崎生まれ、宮崎&長崎育ち。長崎西高、長大経済学部卒。
在学中からWeb業に従事して約20年。人生の半分以上をWebに注いできました。

デザインからライティング、撮影、プログラミングまでやっており、専門家としてセミナーをしたり、Webでお困りの方の相談にも乗ってきました。

「話す・動く・作るWebディレクター」として活動中。
器用貧乏を逆手に取り、ITの力を活用して少数精鋭の組織で動いています。

三児と一猫の父。趣味は「お笑い」「アニメ(狭く深く)」「バドミントンとそれに必要なトレーニング」
「優しく」「仕事ができ」「面白い」人間を目指して日々精進中。