「山火事」から考える、自然災害とテクノロジー。そして備え
岡山・愛媛の山火事、延焼エリアの拡大が続いていますね。
年はじめには、米西部カリフォルニア州ロサンゼルス近郊で発生した大規模な山火事があり、被害総額は23兆円という莫大なものもありました。
大きな山火事は大々的に報道されていますが、調べてみると山火事は各地域で大なり小なり起こっているようです。
気候変動や乾燥化が進む中、山火事は世界的に深刻な問題になってきています。
私的に「どうして山火事って起こるんだろう?」「現代の化学技術で鎮火できないの?」などの疑問が出たため、私なりに調べてみました。
山火事の原因は、自然? それとも人為的?
「山火事」と聞くと、雷による自然発火を思い浮かべる方も多いと思いますが、実は人間の活動が原因のケースが7〜8割を占めるそうです。
- タバコのポイ捨て
- キャンプファイヤーの不始末
- BBQや野焼き
- さらには放火など…
中には、送電線のショートや落雷のような自然現象による火災もありますが、気温が高く、空気が乾燥し、風が強い地域では、それが一気に広がってしまうリスクがあるんです。
山火事が起きやすい地域というのは、意外と共通していて
- 湿度が低い(乾燥している)
- 気温が高い(30度以上)
- 雑草や枯れ葉が多い
- 強風が吹く
こうした条件が揃うと、ほんの小さな火種でも一気に大規模火災へと発展してしまうのです。
ちなみに堆積した枯れ葉やピート(泥炭)が長時間にわたって分解される際に熱を発し、一定の温度を超えると発火することがあるなど、発火の原因は様々なものがあるんです。
火の広がり方って予測できないの?
ある程度予測できそうな気もしますが、色々な要因があって難しいんです。
1. 風向きと風速の変化
風が強い方向に火は速く広がるが、突風や風の渦によって急に別方向に飛び火することがある。風の向きが突然変わると、消防隊が計算していた消火戦略が崩れてしまう。
火災旋風(ファイヤートルネード)が発生すると、予測不能な火の動きが起こる。
2. 燃料(可燃物)の違い
針葉樹(松や杉)はよく燃えるため、これが多い場所では火の勢いが増す。逆に広葉樹や湿った地面が多い場所では燃えにくく、火の進行が遅くなる。枯れ葉や倒木が密集しているエリアでは火が急激に強くなることがある。
3. 地形の影響
山の斜面では火が上に向かって速く進む(熱気が上昇するため)。逆に谷や湿地では火の広がりが遅くなることもある。火が山を越えると風の影響を受けて一気に広がることがある。
4. 飛び火
強風があると、火の粉が数百メートル、場合によっては数キロ先まで飛んで新たな火災が発生する。これにより、火の進行方向とは別の場所にも突然火がつくため、消火作業が混乱する。
5. 気象条件
気温が高く、湿度が低いと、より燃えやすい。逆に、湿度が上がると火は広がりにくくなる。気圧の変化や突然の風の強まりで、火の進行速度が変わる。
これだけ要因が掛け合わされると確かに読むのは難しいんですね。
燃え広がる炎と戦うために、テクノロジーの力
そんな中、最近ではテクノロジーを活用した山火事対策も進んできています。
例えば、
- AIカメラでリアルタイムに火災を監視
- ドローンで上空から火災の拡大状況を把握
- 衛星画像を使った熱源検知や予測シミュレーション
- 火災予測AIによる「この地域は明日危険」などのリスク提示
これらはすべて、「被害を最小限に抑えるための先手」として、世界中で導入が始まっています。
人工的に雨を降らせることはできないの?
漫画やアニメでは雨を人工的に降らせるなんてこともできています。テクノロジーが発達した現代ならそれも可能では…と思うんですよね。調べてみるとある程度なら可能にはなっているようです。
【原理:雲に「種」をまく】
すでにある程度の雲(積乱雲や乱層雲など)が存在してるときに、その雲にヨウ化銀(ようかぎん)やドライアイス(固体の二酸化炭素)などをまくことで、雲の中の水滴を大きくし、重力で雨として落とすという方法があるようです。
この方法は「クラウドシーディング(cloud seeding)」って呼ばれてて、中国、アメリカ、UAE、ロシアなどで実際に行われており、実際に使われた例もあるそうです。
ですが、雲そのものがないとできない、 雨を降らせても、風で流されるなどで火元に届くとは限らない、小雨程度で効果が限定的など、まだまだ課題があるようです。
その他、さまざまな消化方法があり試されています。
1. ドローンを活用した消火
監視・偵察ドローン
赤外線カメラやAIを搭載し、夜間でも火の広がりを正確に把握でき、高温箇所を特定し、消防隊にリアルタイムで情報提供。
消火剤投下ドローン
消火用ボールや特殊な液体を投下し、小規模な火災を迅速に鎮火。無人のため、危険な場所にも投入可能。
2. AIとビッグデータで火の進行を予測
AIが気象データ・風向き・地形を解析し、火災の拡大経路を予測。消防隊に最適な消火ポイントを提案し、無駄のない消火活動を支援。
3. 衛星によるリアルタイム監視
NASAやJAXAの高解像度衛星(Landsat、GOESなど)を活用し、火災の発生を迅速に検知。火災の拡大状況をリアルタイムで監視し、消防チームへ即時情報を提供。
4. 特殊消火剤・火災抑制ジェル
合成ポリマーを含む消火剤が、燃焼を遅らせるバリアを形成。水よりも長時間効果を持続し、燃え広がりを防ぐ。
5. 飛行機やヘリによる大量消火
スーパータンカー(巨大消火機)。ボーイング747やC-130などの航空機に、数万リットルの消火剤や水を搭載。一度の飛行で広範囲に水を散布し、火を抑える。
夜間対応の消火ヘリ。赤外線カメラと自動飛行システムを活用し、夜間でも消火活動が可能。
6. ロボット消防隊
高温エリアに進入可能な無人消防ロボット。火の近くまで接近し、放水や土砂をかける。人が立ち入れないエリアでも消火作業が可能。
7. 防火壁の自動展開
防火帯を自動で形成するシステム。ドローンやロボットが燃えやすい草木を伐採し、火の進行を防ぐ。事前に火の進行方向に「燃えない壁」を作ることで、消火活動を有利に。
こんなにも色々していたんですね。発展途上なものもたくさんあると思いますが、さまざまな視点から試行錯誤されているのはすごいです。
山火事の時に備えておくべきこと(基本+山火事特有)
私たちが暮らす長崎のような都市でも、直接的な山火事の被害は少ないかもしれません。
でも、いつでもどこでも起こりうる可能性があり、「自分ごと」として考える必要があると思います。
■ まずは【共通の防災対策】
- 非常持ち出し袋の準備
-
飲料水(最低3日分)、非常食、ライト、電池、充電器、救急セット、マスク、貴重品コピーなど
-
- 避難経路・避難場所の確認
-
家族と「どこへ避難するか」「連絡手段は何か」を事前に話しておく
-
- 防災アプリや通知サービスの活用
-
Yahoo!防災速報、NHKニュース、防災気象情報などを活用
-
ここからが【山火事に特化した備え】
■ 家の外でやっておくこと
- 可燃物を家の周りに置かない
-
枯れ葉、薪、木製パレット、プロパンガスボンベなどをなるべく家から離す
- 特に家から10m以内は「火が着かないゾーン」にしておく
-
- 雨どいや屋根の落ち葉をこまめに掃除
-
落ち葉に火がついて屋根や家全体に延焼することがある
-
- 防火シートや網で換気口を守る
-
火の粉が家の中に入るのを防ぐ
-
- 家の外壁や屋根を耐火素材にする(可能なら)
-
木製より金属や耐火パネルが安心
-
■ 家の中でやっておくこと
- カーテンや家具の素材をチェック
-
可燃性の高い布製カーテンなどは、避難前に取り外すと安心
-
- 消火器やホースの準備
-
家庭用でも、小規模火災や火の粉対策に効果あり
- 長めのホースがあると、延焼防止の「湿らせゾーン」が作れる
-
- 重要書類は耐火袋にまとめておく
-
保険証、通帳、土地の権利書、印鑑など
-
■ 避難するときの心得
- 煙が来てたら、迷わず早めの避難!
- 火は見えてなくても煙で命に関わることがある
- 煙は下にたまりやすいので低い姿勢で移動する
- 車で避難する場合は「窓を閉めて」エアコンを外気遮断モードに
-
火の粉や煙が車内に入るのを防ぐ
-
- ペットも一緒に避難するための準備を
- ペット用のキャリーケース、餌、水、シートなども一緒に非常袋に
+α:備えておくと安心なものリスト
アイテム | 理由 |
---|---|
防塵マスク(N95など) | 煙の吸い込み防止 |
ゴーグル | 火の粉や煙から目を守る |
懐中電灯+ヘッドライト | 停電や夜間避難時に便利 |
バケツ・ホース | 火の粉を消す、湿らせる用途 |
火災保険の確認 | 万が一の補償をしっかり把握 |
以上です。突き詰めればこんな感じになりますが、すぐにできること、最低限出来ることはやっておいた方がいいですね。
山火事対策に限らずまずは災害の準備をし、定期的に確認して備えのアップデートをしておきましょう!
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T.kawano
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