『シューイチ』で見た、顔パスで買い物できる次世代スーパー「トライアル」

今朝、『シューイチ』でトライアルのことが取り上げられていました。
先日我が家の近所にもオープンしたスーパー「トライアル」ですが、関東にもちょっと変わった店舗がオープンしているようです。
福岡発のIT企業系スーパー「トライアル」が展開する、次世代型スマートストア「TRIAL GO(トライアル・ゴー)」というお店。なんと、顔認証だけで買い物ができて、AIが自動的に値引きをしてくれるんだとか。
トライアルが西友を買収した理由
まず驚いたのが、トライアルが西友(SEIYU)を買収したという話です。
トライアルは九州、特に福岡が地盤のスーパーです。IT技術を駆使した効率的な経営で知られていますが、関東、特に東京には物流拠点や店舗が少なく、進出に苦労していました。
そこで目をつけたのが、関東に強い西友です。
西友を買収することで、西友が持っている食品工場や物流センターを使えるようになりました。これが大きいんですよね。九州から商品を運ぶのではなく、関東にある西友の拠点から直接商品を届けられる。だから、東京のど真ん中でも安くて新鮮な商品を並べられるようになったわけです。
物流というのは、小売業にとって命です。どんなに良い商品を持っていても効率的に届けられなければ、価格が高くなるし鮮度も落ちる。トライアルは買収という手段を使って、一気に東京進出の課題を解決したということです。
これは経営戦略として、すごく理にかなっていると思います。
TRIAL GOってどんなお店?
で、その「TRIAL GO」について。
見た目はコンビニのような小さめの店舗。でも、中身はスーパーなんです。
コンビニって便利だけど高いじゃないですか。スーパーは安いけど、便利な場所にないこともあるしレジが混んでいて時間がかかる。TRIAL GOは、その両方の悩みを解決しようとしているお店なんです。
コンビニくらいの広さだけどお弁当だけじゃなくて、お肉や野菜、生鮮食品もスーパー並みの安さで売っている。しかも、24時間営業です。
「コンビニの便利さ」と「スーパーの安さ」を両立させる。言うのは簡単ですが実現するのは難しい。それをIT技術で実現しようとしているわけです。
顔パス決済と無人レジ
さすが時代だなと思ったのが顔パス決済です。
事前にアプリに顔写真とクレジットカードを登録しておけば、レジでカメラを見るだけで支払いが完了します。スマホも財布も出す必要がありません。
しかも、お酒などの年齢確認も、顔認証でクリアできるそうです。
素晴らしいですよね。レジに並ぶ必要もなければ、バーコードをスキャンする必要もない。本当に「手ぶら」で買い物ができるんです。
24時間営業でしかも無人で回せる。人件費も抑えられるしお客さんも待たされない。双方にメリットがあるシステムです。
技術的には顔認証自体は珍しくないですが、それを実店舗でここまでスムーズに実現しているのは、やっぱりすごいと思います。
AIカメラによる自動値引き
この技術は初めてしりました、AIカメラによる自動値引きです。
店内の天井には、たくさんのAIカメラが設置されています。このカメラが、商品の売れ行きを常にチェックしているんです。
お弁当などが売れ残っているのをAIが検知すると、自動的に電子値札の価格を「20%OFF」とか「半額」とかに切り替えます。人間がシールを貼りに行く必要がないんです。しかも、雨の日など売れ行きが悪い時は在庫状況を見て早めに割引きにするとか。在庫管理システムで監視しながらカメラで直接本部が見てAIと人で判断するのでしょうか。
これ、めちゃくちゃ効率的ですよね。スーパーで働いたことがある方なら分かると思いますが、閉店前に値引きシールを貼って回るのって結構な労力なんです。
それをAIが自動でやってくれる。しかも、リアルタイムで需要と供給を見ながら、最適な価格に調整してくれる。AIもここまで来たかという感じです。
食品ロスの削減にもつながりますしお客さんも安く買えるし、お店も在庫を減らせる。三方良しのシステムだと思います。
IT企業から見た感想
IT企業を経営している立場から見ると、トライアルのやっていることは本当に興味深いです。
単にITを導入しているだけじゃなくて、「買い物からストレスをなくしたい」という明確なビジョンがあって、そのためにITを使っている。これが大事なんですよね。
技術ありきじゃなくて、課題ありき。レジ待ちというストレス、値引きシール貼りという非効率、物流コストの高さという課題。それをITで解決している。
しかも、西友を買収して物流網を手に入れるという、アナログな経営戦略も組み合わせている。ITだけに頼らず、必要なら買収もする。このバランス感覚が素晴らしいと思います。
私たちのようなIT企業も、「技術で何ができるか」だけじゃなくて、「お客様の課題を解決するために何が必要か」を常に考えないといけないなと、改めて思いました。
東京での展開と今後
東京でどんどん店舗を増やしていくみたいですね。西友の物流網を使えるようになったので、これからもっと増えていくんじゃないでしょうか。
都心で働いている人にとっては、かなり便利なお店になりそうです。夜遅く仕事が終わっても、24時間開いていてレジに並ばずにサッと買い物ができる。しかも安い。
これは確実にニーズがあると思います。
長崎にも来るかな?
で、ここからは長崎に住んでいる立場として思うことなんですが、こういうお店、長崎にも来てくれないかなと。
トライアルは九州発の企業なので、九州には店舗があります。でも、このTRIAL GOのような次世代型店舗は、まだ東京中心の展開みたいです。
ただ、地方都市こそ、こういう店舗が必要なんじゃないかとも思うんですよね。
長崎も高齢化が進んでいて、スーパーまで行くのが大変な方も増えています。近所にコンビニくらいのサイズで、スーパー並みの品揃えと価格のお店があれば、すごく助かる人も多いはずです。
もちろん、顔認証とかAI値引きとか高齢者の方には馴染みにくい部分もあるかもしれません。でも、一度使い方を覚えてしまえば、レジに並ばなくていいのは楽だと思うんですよね。
地方にこそ、こういう技術が必要なんじゃないかなと思います。早く来てほしいですね。(^^)
