「自分はそれを知らないから」は言い訳じゃなくて、スタート地点

いろんな人と話をしていて、よく耳にする言葉があります。
「自分はそれが苦手だから」「自分はそれを知らないから」
こう言って、それ以上学ぼうとする気持ちを閉じてしまう人が多いんですよね。
もちろん、苦手なことは苦手なままにしておいて、自分の得意なことや自分ができることに集中するという考え方は、かなり正しい方法の一つです。限られた時間の中で、自分の強みを伸ばすことは大切です。
でも、一方で考えてほしいことがあります。
それはどんな人であっても、どんなことでも上達は可能だということです。
車の運転という例
私もよく若かりし頃の記憶を思い出すんですが、車の運転が良い例だと思います。
車の運転って、実はものすごく難しい作業なんですよ。道路では何が起こるか常に変わります。決めたルールのまま動くことができません。周りの環境にも左右されるし、自分の調子によっても変わってきます。
考えてみれば、これはかなり高度な作業です。
でも、運転ができる人は多いですよね。なぜでしょうか。
それは、自動車学校や教習所に行って、何度も何度も練習をしたからです。車について何度も学び、実践で何度も繰り返して体に染み込ませる。これをすることで、みんなが自然に運転をできているんです。
最初はアクセルとブレーキの踏み方すら分からなかった人が、今では音楽を聴きながら友達と会話をしながら安全に運転をしています。
免許取りたての頃、なるべく運転しようとして家の前の川沿いの道をずっとグルグル回って練習していたのを思い出します。でもそれのおかげで運転が上達できた自分がいるのですよね。
20年前の憧れが、今の自分に
もう一つ話をします。
大学生の時、友達の間で「ハッカーレベルのパソコン知識がある」という人がいて、噂になっていました。パソコンの技術がありすぎて、周りから尊敬の眼差しで見られていたんです。
自分もその人を見て「そんな知識があるなんてすごいな、羨ましいな」と思っていました。完全に人ごとのように思っていたんですよね。
あれから、ちょうど20年ぐらいが経ちました。
今の自分はどうかというと、パソコンやWebに関することをある程度知っているし、人に教えたりもしてきました。もちろん「ハッカーレベル」というジャンルではありませんが、当時の自分が見たら想像はできなかったと思います。
なぜこうなったかというとパソコンに触れ続け、いろんな試行錯誤を続け、いろいろな質問を受けては返し、問題解決をしてきた結果なんです。
当時は「羨ましいな」と思っているだけで努力をしていなかったので、そこに近づくことはできませんでした。でも、少しずつでも触れ続けることで、気づいたら今の自分になっていました。
人ができることは、基本的には誰でもできる
この世に、人ができていることというのは、基本的には誰でもできるんです。
もちろん、プロのようにさらに研ぎ澄まして、さらに上を目指そうとすると、さらなる努力と才能の掛け合わせは必要になってきます。オリンピック選手レベルとか、世界的なプログラマーレベルとか、そういう話をしているわけではありません。
でも、「この作業が苦手」とか「これは分からない」とか言っている段階の人は、知識のレベルで言うとそれに関する知識はゼロなんです。
ゼロを1、2、3というように知識を増やしていくことは、誰でもできます。
もちろん、その伸び率や速さなどは人それぞれによって違います。そこに関する苦手などはあるかもしれません。でも、それでも何かを伸ばすことはできるんです。
「知らない」はスタート地点
「自分はそれを知らないから」という言葉を、終わりの言葉にするのではなく、スタート地点の言葉にする時があってもいいと思います。
「自分はそれを知らない。だから、ちょっと学んでみようかな」 「自分はそれが苦手。でも、少しずつやってみたら、もしかしたらできるようになるかもしれない」
そんなふうに考えてみると、世界が広がります。
運転ができなかった自分が自然にできるようになった。パソコンのことを全然知らなかったが、今ではある程度のことは分かるようになったなど。人間には上達できる可能性が秘められているんですよね!
今日から始められること
何か新しいことを始めるのに、遅すぎることはありません。
どんなことでも少しずつ練習すれば、どんなことでも上達します。最初はゼロだった知識が、1になり、2になり、3になります。
「自分には向いてない」と決めつける前に、ちょっとだけ試してみる。それだけで、人生が変わることがあります。
私がパソコンに詳しくなったのは、特別な才能があったからではありません。ただ、諦めずに触れ続けただけです。
みなさんも「苦手だから」と避けていることがあるなら、まずは試してみてはいかがでしょう?新しい景色が見えて面白いかもしれませんね(^^)
