スマホの充電、毎日100%まで充電していませんか?バッテリー寿命を延ばす方法
先日お客さんの所で充電の話題になったのですが、スマホの充電を満タンにしてはいけないことを話すと驚いている方々がいました。せっかくですので今回は『スマホの充電』についてお話します。
100%充電が実はバッテリーに悪いという事実
毎晩寝る前に、スマホを充電器に繋いで朝まで充電している方、まだ多いのではないでしょうか?実はこれがバッテリーの寿命を縮めている可能性があるんです。
スマホのバッテリーに使われているリチウムイオン電池は、実は満充電状態を維持することがあまり得意ではありません。100%の状態が長時間続くと、バッテリー内部で化学的な劣化が進みやすくなるのです。
なぜ100%充電が良くないのか リチウムイオン電池は、満充電状態でバッテリー内部の電圧が高くなり、この状態が続くとバッテリーの素材が劣化しやすくなります。特に熱を持ちやすい環境では、この劣化が加速してしまいます。
毎晩充電器に繋ぎっぱなしにしていると、100%に達した後もずっと満充電状態が保たれ、さらに充電中の発熱も加わって、バッテリーにとっては過酷な環境が続いているわけです。
80%充電ルールとその根拠
最近、バッテリー専門家の間で推奨されているのが「80%ルール」です。これは、バッテリーを80%程度で充電を止めるという方法です。
80%が理想的な理由
- バッテリー内部の電圧が適度なレベルに保たれる
- 劣化の原因となる化学反応が抑制される
- 充電時の発熱も比較的少ない
- 日常使用には十分な容量が確保できる
実際に、テスラなどの電気自動車メーカーでも、日常使用時は80%程度での充電を推奨しており、バッテリー管理システムでも80%をデフォルトにしている場合が多いそうです。
夜間充電の落とし穴
多くの方がやりがちなのが、寝る前にスマホを充電器に繋いで朝まで放置すること。これには実はいくつかの問題があります。
長時間の満充電状態 夜中の2時頃に100%に達したとしても、朝の7時まで5時間も100%状態が続きます。この長時間の満充電がバッテリーにストレスを与えてしまいます。
枕元での充電による熱の問題 ベッドの上や枕元で充電していると、熱がこもりやすく、バッテリーの劣化が加速する可能性があります。特に夏場は要注意です。
過充電防止機能への過信 「最近のスマホには過充電防止機能があるから大丈夫」と思いがちですが、これは電池が爆発したりしないための安全機能であって、バッテリーの劣化を防ぐものではありません。
急速充電vs通常充電、どちらがいい?
急速充電についても気になるところですよね。結論から言うと、バッテリーの寿命を考えると通常充電の方が優しいのです。
急速充電のデメリット
- 充電中の発熱が大きい
- バッテリー内部への負荷が高い
- 劣化が通常充電より早く進む可能性
ただし、使い分けが大切 とはいえ、急速充電も便利な機能です。外出先で急いで充電したい時は急速充電を使い、自宅でゆっくり充電できる時は通常充電を使うという使い分けをすることで、利便性とバッテリー寿命のバランスを取ることができます。
実践的なバッテリー管理のコツ
では、具体的にはどうすれば良いのでしょうか?いくつか実践しやすい方法をご紹介します。
充電のタイミングを見直す
- 寝る前ではなく、夕食後や入浴中など、80%程度で止められるタイミングで充電
- 朝の準備中に少し充電して、一日分の電力を補う
- 20%〜80%の範囲で充電する習慣をつける
充電環境を工夫する
- 風通しの良い場所で充電する
- 充電中はケースを外すか、熱がこもりにくいケースを使用
- 直射日光の当たる場所での充電は避ける
スマホの設定も活用 最近のスマホには「バッテリー最適化」機能が搭載されていることも多いです。iPhoneなら「最適化されたバッテリー充電」、Androidでも似たような機能があります。これらの機能をオンにしておくことをお勧めします。
完璧を求めすぎなくても大丈夫
ここまで読んで「毎回80%で止めるなんて面倒…」と思った方もいらっしゃるかもしれません。望ましい方法は述べましたが、私も完全にやってはないんです。
週に2〜3回でも80%ルールを意識してみたり、夜間充電をやめて別のタイミングで充電してみたりするだけでも、バッテリーの寿命は延ばせるはずです。
また、スマホを2〜3年で買い替える方なら、そこまで神経質になる必要もないかもしれません。でも、できるだけ長く使いたい方や、バッテリーの持ちが気になってきた方は、ぜひ試してみてください。
月1回のフル充電は必要?異なる説もある
ただし、バッテリー管理について調べていると、興味深い別の説も見つけました。「月に1回程度は0%から100%までのフル充電をした方が良い」という話です。
キャリブレーション説の根拠 この説の理由は「バッテリーの残量表示を正確に保つため」です。スマホは内部でバッテリーの残量を計算していますが、いつも中途半端な充電ばかりしていると、この計算がずれてくる可能性があるというものです。
つまり、月に1回程度フル充電・フル放電を行うことで、スマホに「これが本当の0%で、これが本当の100%だよ」と教え直す「キャリブレーション」効果があるという考え方ですね。
どちらが正しいの? 正直なところ、専門家の間でも意見が分かれているのが現状です。最新のスマホには高精度なバッテリー管理システムが搭載されているため、キャリブレーションの必要性は以前より低くなったという意見もあります。
私個人としては、基本は80%ルールを心がけつつ、月に1回程度なら0%→100%の充電をしても大きな問題はないのではないかと思っています。完璧にやりすぎてストレスになるより、バランスが大切かもしれませんね。
他にも知っておきたいバッテリー豆知識
寒いとバッテリーの減りが早い理由 冬場にスマホのバッテリーがすぐ減ることがありますが、これは低温でリチウムイオン電池の性能が一時的に落ちるためです。温かい場所に戻れば改善されるので、バッテリーが劣化したわけではありません。
バッテリー残量の表示について スマホに表示される「残量0%」は、実は完全にバッテリーが空になっているわけではありません。安全のために、実際にはまだ少し容量が残った状態で0%表示になるよう設計されています。
まとめ
今回ご紹介した内容、いかがでしたでしょうか?毎日何気なくやっている充電が、実はバッテリーにとって負担になっているかもしれないなんて、驚きますよね。
あと、「そんなの気にせずにこれまで通り使うし」と思う方も正解だと思います。
私も自分の習慣を他者にほだされたくないですし(笑)
ですが、私自身も以前この方法を聞いてから実行すると、以前よりもバッテリー持ちが良くなったと思います。計測はしていませんが、良くなった気がしたでも十分に効果ありですよ!
マメ知識として、少しでもバッテリーを長持ちさせる方法として知っておいても損はないと思います(^^)