深く考える能力をつける仕事術 〜表面的な理解から脱却し、信頼される人になる方法〜

「この人と話していると、いつも表面的な内容で終わってしまうな」「もう少し深い話ができたらいいのに」そんな風に感じたことはありませんか?逆に「この人の話は奥が深くて面白い」「頼りになるな」と思う人もいますよね。

その違いは「深く考える習慣」にあります。最初に入ってきた情報だけで判断せず、いろいろな角度から物事を見て、背景や事情を理解しようとする姿勢です。今回は、この深く考える力を身につける方法を、具体的な例とともにご紹介します。

深く考えるとはどういうことか:大谷翔平選手を例に

表面的な理解から始まる

ドジャースの大谷翔平選手を例に、深く考えるプロセスを見てみましょう。私が大谷選手のすごさを知ったのは数年前、6月にとんでもない数のホームランを打っているというニュースからでした。

最初の理解は「ホームラン打ちまくってすごい人」という単純なものでした。これは表面的な理解の段階です。

※実は野球に興味がなかったので、大谷選手の日本での活躍を全然知らなかったんですよね。

積み重ねる。理解を深める

その後も継続してニュースを見ていくうちに、だんだん理解が深まっていきました。

「大谷選手は6月にホームランをたくさん打ったけど、ホームラン競争の後はあまり打てなくなってしまった。でもピッチャーとしても大活躍している、本当にすごいな」

さらに「チャンスの場面では打てないって言われているらしい」という情報も入ってきます。でも、これでもまだ理解としては浅いんですよね。

いろいろな背景が見えてくる段階

さらに追いかけていくと、もっと複雑な背景が見えてきました。

ホームランバッターだからこその制約: 大谷選手がホームランバッターって認識されているので、ランナーがいる場面ではピッチャーも簡単にストライクを投げてくれません。最悪四球でも構わないので、コースを外してきます。

審判の判定も関係してくる: 四球を狙いたくても、ギリギリのコースって審判にストライクって言われちゃうこともあるんですよね。そうなると、きわどい球でも打ちにいかないといけない。でも打ちにくいコースだから、凡打や空振りになりやすいんです。

いくつもの可能性を考える: チャンスで打てないって言われる理由も、こうした戦略的な要因があるかもしれないし、もしかしたら本人のメンタル面の問題かもしれません。でも実際データを見ると、チャンスでちゃんと打っている時もたくさんあるんです。注目される選手だから期待値が上がって、打てない時の落胆が大きくて「打てない」って印象が強くなっている可能性もありますよね。チャンスの時に打てる率を見るともしかしたらもっとデータっぽく分析できると思います。

深く考える習慣が仕事に与える効果

信頼してもらえるようになる

このようにいろいろな情報を知って、多角的に考えていけるようになると、表面的ではない深い話ができるようになります。仕事でも、深く考える習慣を持っていると「この人はちゃんと考えているな」「頼りになる」って思ってもらえるようになります。

問題を解決する力もアップ

単純に「売上が下がった」で終わらずに、市場の状況はどうか、競合他社の動きは、社内の体制に変化はあったか、タイミング的な要因はないかなど、いろんな角度から分析できるようになります。

深く考える能力を身につけるコツ

色々な角度からものごとを知る

深く考えるための第一歩は、一つの物事を色々な角度から知ることです。最初の情報だけで判断せず、関連する情報を継続的に収集し、背景や事情を理解しようとする姿勢が重要です。

継続的な観察と考察

一度だけ深く考えるのではなく、それを続けることが大切です。新しい情報が入るたびに、これまでの理解を更新し、より複雑で現実に近い理解を構築していきます。

結論が出ないことを受け入れる

深く考えた結果、結局考えがまとまらないこともあります。しかし、それで良いのです。物事は一長一短であることが多く、「こちらの方法の方が良くなる可能性が高い」という程度の結論で十分な場合もあります。

実践時の注意点とバランス

すべてを深く考える必要はない

ただし、すべてを深く考えるには時間が足りませんし、そればかりだと相手も疲れてしまいます。重要なのは、浅く話すシーンと深く話すシーンを使い分けることです。

日常的な雑談では大谷選手について「すごい!」で十分です。ファンとしてはそれで全然良いのです。しかし、仕事の重要な議題や、信頼関係を築きたい相手との会話では、深く考えた内容を共有することで、より質の高いコミュニケーションが可能になります。

深く考える習慣で豊かな関係性を築く

深く考える能力は、一朝一夕に身につくものではありませんが、意識的に取り組むことで確実に向上します。表面的な情報に満足せず、背景や多角的な視点を持つ習慣をつけることで、仕事での信頼度が高まり、より質の高い議論や問題解決が可能になります。

この能力が身につけば、相手との会話もより深みのあるものになり、お互いにとって価値のある時間を過ごせるようになるでしょう。浅く話すシーンと深く話すシーンを使い分けて、魅力的な人間に近づけるといいですね(^^)

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この記事を書いた人
T.kawano

T.kawano

宮崎生まれ、宮崎&長崎育ち。長崎西高、長崎大学経済学部卒。
在学中からWeb業に従事して約20年。人生の半分以上をWebに注いできました。

デザインからライティング、撮影、プログラミングまでやっており、専門家としてセミナーをしたり、Webでお困りの方の相談にも乗ってきました。

「話す・作るWebディレクター」として活動中。
器用貧乏を逆手に取り、ITの力を活用して少数精鋭の組織で動いています。

三児と一猫の父。趣味は「お笑い」「アニメ(狭く深く)」「バドミントンとそれに必要なトレーニング」
「優しく」「仕事ができ」「面白い」人間を目指して日々精進中。