Googleフォームを問い合わせに使うという選択と注意点

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以前、ホームページの問い合わせフォームとして「Googleフォームを使えませんか?」というご相談をいただくことがありました。

たしかに、Googleフォームは無料で使えて、見た目のカスタマイズもそこそこできる。設定や変更もGoogleアカウントがあれば簡単にできるため、クライアント側で柔軟に運用したいという時には便利な選択肢です。
何より、あのGoogleが提供しているという安心感もありますよね。

ただし、ホームページの“問い合わせフォーム”として使う場合には、少し気をつけたいポイントもあります。

埋め込みが難しいので「別ページに飛ばす」形に

WordPressなどのCMSで作られたホームページでは、通常のお問い合わせフォームはそのままページの中に表示されます。
ですが、Googleフォームの場合、ページ内にきれいに埋め込むのが難しく、多くの場合は「外部リンクとしてGoogleフォームに飛ばす」という形になります。

見た目の切り替わりやURLが変わることで、ユーザーが「別のページに行ってしまった?」と感じてしまったり、「戻るボタンで戻っても最初のページに戻らない」といった戸惑いが生じることもあります。

フォーム自体は便利なのですが、閲覧者の“迷い”を生まないようにする配慮は必要かもしれません。

メール通知の設定がややこしい

Googleフォームでは、入力された内容をスプレッドシートに自動で記録することができます。
ただ、フォーム送信時に「誰かがフォームを送信しました」という通知メールを送る設定や、実際の入力内容をメールに含める設定は少し難しく、Google Apps Scriptなどの設定が必要になる場合もあります。

簡易的に通知を受け取るだけならまだよいのですが、内容まで確認したい場合はひと手間かかります。

アンケート的な設計が基本

もともとGoogleフォームは「アンケート」や「申し込みフォーム」など、一方向の情報収集に適した設計です。
そのため、送られてきた回答を「一覧で見る」ことには向いているのですが、個別に1件ずつ問い合わせとして扱うには少し見づらいと感じる方もいるかもしれません。

日常的に問い合わせ対応をされるスタッフの方にとっては、既存の問い合わせフォームに比べてやや扱いにくいという声もあります。

アンケートや申し込みフォームとしては非常に優秀

ちなみに、Googleフォームが本来の使い方として力を発揮するのは「アンケート」や「申し込みフォーム」などです。
「〇〇についてのご意見を聞きたい」「イベントへの参加申込みを受け付けたい」「社内アンケートを取りたい」といったシーンでは、とても便利に使えます。

  • 回答がGoogleスプレッドシートに自動で整理される
  • 回答の集計やグラフ表示もワンクリックでできる
  • リンクを送るだけで簡単にフォームを共有できる
  • スマホからでも手軽に入力できる

といった特長があるので、ちょっとした調査や社内アンケート、講座の申し込み受付などにはぴったりです。

「日常的な問い合わせ対応」にはやや不向きな点がある一方で、
「単発の情報収集や募集」にはとても相性が良いという使い分けが大切ですね!

要望や運用に応じて使い分けを

Googleフォームは、「簡単にフォームを設置したい」「問い合わせが月に1〜2件程度で十分管理できる」といったケースでは、十分に使える選択肢です。
とくに、クライアント側でフォームの内容を変更したい手軽に設置したいというご要望がある場合には、導入することもあります。

ただし、フォームの埋め込み、通知の仕組み、見やすさといった点では、従来のホームページ組み込み型のフォームのほうが優れているのが現状です。

運用の規模や目的、対応するスタッフの体制に応じて、最適な方法をご提案しています。
もしフォームまわりでお困りのことがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください(^^)

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この記事を書いた人
T.kawano

T.kawano

宮崎生まれ、宮崎&長崎育ち。長崎西高、長大経済学部卒。
在学中からWeb業に従事して約20年。人生の半分以上をWebに注いできました。

デザインからライティング、撮影、プログラミングまでやっており、専門家としてセミナーをしたり、Webでお困りの方の相談にも乗ってきました。

「話す・動く・作るWebディレクター」として活動中。
器用貧乏を逆手に取り、ITの力を活用して少数精鋭の組織で動いています。

三児と一猫の父。趣味は「お笑い」「アニメ(狭く深く)」「バドミントンとそれに必要なトレーニング」
「優しく」「仕事ができ」「面白い」人間を目指して日々精進中。