CSVって何?知っておくと便利な「データのお引っ越し」の話

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仕事をしているとたまに『csv』の話が出てきます。普段の生活ではなかなか聞かない言葉ですが、仕事でもプライベートでも知っておくと便利な機能というか考え方なんですよ。

ですので、この考え方を知っているとふとした時に「csvを使えば解決できるんじゃない?」と思えるので、例を出しながら説明していきます。

そもそもCSVって何?

「CSV」という言葉、聞いたことはあるけれど、よく分からないという方も多いのではないでしょうか?

CSVとは「Comma Separated Values」の略で、直訳すると「カンマで区切られた値」という意味です。簡単に言うと、表形式のデータをシンプルなテキストファイルで保存する方法です。

CSVって、要するに「デジタルの住所録」

CSVを一言で説明すると、「表の形でデータを保存する、とてもシンプルな方法」です。

例えば、手書きの住所録をイメージしてみてください

名前 住所 電話番号
田中太郎 東京都○○区 03-1234-5678
佐藤花子 大阪府○○市 06-9876-5432

この表をCSV形式で表現すると、こんな風になります

名前,住所,電話番号
田中太郎,東京都○○区,03-1234-5678
佐藤花子,大阪府○○市,06-9876-5432

つまり、カンマ(,)で区切って情報を並べただけです。エクセルの表をもっとシンプルにしたような感じですね。
エクセルで開いた時は表のように表示されているのでどこが違うの?と思うかもしれませんが、テキストなどで開くとカンマで区切られている情報なのです。

なぜCSVが便利なのか?

CSVの最大の魅力は、どんなソフトでも読み書きできることです。エクセル、年賀状ソフト、会計ソフト、ネットショップのシステムなど、ほとんどのソフトがCSVに対応しています。

つまり、CSVは異なるソフト同士でデータをやり取りするための「共通語」のような役割を果たしているんです。

「エクスポート」と「インポート」は「出す」と「入れる」

エクスポート = データを「出す」

エクスポートは、ソフトからデータを「出す」ことです。

年賀状ソフトAで「住所録をCSVで出力する」ボタンを押すと、今まで入力していた住所録がCSVファイルとして保存されます。これがエクスポートです。

インポート = データを「入れる」

インポートは、別のソフトにデータを「入れる」ことです。

年賀状ソフトBで「CSVファイルを読み込む」機能を使って、先ほど出力したCSVファイルを取り込みます。これがインポートです。

つまり、「ソフトA → CSVファイル → ソフトB」という流れで、データのお引っ越しができるわけです。

年賀状ソフトを例に見てみよう

CSVの使い方を、身近な年賀状ソフトを例に見てみましょう。年賀状ソフトを新しいものに変える時、今まで入力していた住所録をそのまま使いたいですよね。そんな時にCSVが大活躍します。

手順1:古いソフトからエクスポート

古い年賀状ソフトで

  1. 「ファイル」メニューを開く
  2. 「エクスポート」や「書き出し」を選ぶ
  3. 「CSV形式で保存」を選択
  4. ファイル名を付けて保存

すると、こんな感じのCSVファイルができます:

氏名,郵便番号,住所,電話番号
田中太郎,123-4567,東京都○○区1-2-3,03-1234-5678
佐藤花子,890-1234,大阪府○○市4-5-6,06-9876-5432

手順2:新しいソフトにインポート

新しい年賀状ソフトで

  1. 「ファイル」メニューを開く
  2. 「インポート」や「取り込み」を選ぶ
  3. 先ほど保存したCSVファイルを指定
  4. データが取り込まれる

これで、今まで入力していた住所録が新しいソフトでも使えるようになります!

ビジネスでも大活躍のCSV

年賀状だけでなく、お仕事でもCSVは大活躍します。

商品情報の管理

ネットショップを運営している場合

  • 商品名、価格、在庫数をCSVで管理
  • 楽天からYahoo!ショッピングにデータを移行
  • 一括で価格変更や在庫更新

顧客情報の移行

  • 古い顧客管理システムから新しいシステムへ
  • メール配信サービスの乗り換え
  • 会計ソフトの変更時の取引先データ移行

イベントの参加者管理

  • 申し込みフォームから参加者リストをCSVでダウンロード
  • 名札作成ソフトに取り込んで一括印刷
  • 受付システムで読み込んでチェックイン管理

でも、そのまま使えない場合もある

ここが重要なポイントなのですが、CSVファイルをそのまま移行先で使えない場合があります。

列の順番や名前が違う場合

移行元のCSV

名前,住所,電話
田中太郎,東京都○○区,03-1234-5678

移行先が求める形式

氏名,TEL,郵便番号,住所
田中太郎,03-1234-5678,123-4567,東京都○○区

このように、列の順番や名前が違うことがよくあります。

解決方法:エクセルで「お化粧直し」

こんな時は、エクセルでCSVファイルを開いて「お化粧直し」をします

  1. CSVファイルをエクセルで開く
  2. 列の順番を入れ替える(切り取り&貼り付け)
  3. 列の名前を変更する(「名前」→「氏名」など)
  4. 足りない列があれば追加する
  5. 不要な列があれば削除する
  6. 再度CSV形式で保存

まるで、引っ越し先の部屋に合わせて家具を配置し直すような感じですね。

よくある「あるある」な問題と対処法

文字化けしちゃった

CSVファイルを開いたら文字が変になっている場合があります。これは「文字コード」の問題です。

対処法

  • エクセルで開く時に「UTF-8」を選択
  • メモ帳で開いて文字コードを確認
  • 「文字化け 解決」で検索して対処

電話番号の最初の0が消える

エクセルで開くと「03-1234-5678」が「3-1234-5678」になってしまうことがあります。

対処法

  • その列を右クリック
  • 「セルの書式設定」→「文字列」に変更
  • または、CSVをインポートする時に列の形式を指定

データがずれちゃった

住所の中にカンマが入っていると、データがずれることがあります。

例:

田中太郎,東京都○○区1-2-3,アパート名,101号室,03-1234-5678

対処法:

  • 住所を「”東京都○○区1-2-3,アパート名,101号室”」のようにダブルクォーテーションで囲む
  • またはカンマではなくタブ区切りを使用

CSVを使う時のコツ

バックアップは必須

作業前に必ず元のデータのバックアップを取りましょう。「ちょっといじってみたら、全部おかしくなった」なんてことがないように。

少量でテストしてみる

いきなり全データで作業せず、5件程度のテストデータで練習してみることをおすすめします。

エクセルで確認

CSVファイルはエクセルで開いて内容を確認できます。テキストエディタで開くよりも見やすいです。

列の名前は英語の方が安全

日本語の列名だと文字化けすることがあるので、可能であれば英語の列名を使った方が安全です。

こんな場面でCSVが活躍

  • 年賀状ソフトの乗り換え
  • スマホの連絡先をパソコンに移行
  • ネットショップの商品情報を別のモールに登録
  • イベントの参加者リストを名札印刷ソフトに取り込み
  • 古い会計ソフトから新しいソフトへの取引先データ移行
  • メール配信サービスの変更時の配信リスト移行
  • クレジットカードの明細を会計ソフトで読み込む

まとめ:CSVは「データの共通語」

CSVは、異なるソフト同士でデータをやり取りするための「共通語」のようなものです。

完璧に理解する必要はありませんが、「こういう便利な方法があるんだな」ということを知っておくだけでも、いざという時に役立ちます。

年賀状ソフトの乗り換えや、お仕事でのデータ移行など、「今まで入力したデータが無駄になっちゃう…」と諦める前に、CSVでのデータ移行を試してみてください(^^)

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この記事を書いた人
T.kawano

T.kawano

宮崎生まれ、宮崎&長崎育ち。長崎西高、長大経済学部卒。
在学中からWeb業に従事して約20年。人生の半分以上をWebに注いできました。

デザインからライティング、撮影、プログラミングまでやっており、専門家としてセミナーをしたり、Webでお困りの方の相談にも乗ってきました。

「話す・動く・作るWebディレクター」として活動中。
器用貧乏を逆手に取り、ITの力を活用して少数精鋭の組織で動いています。

三児と一猫の父。趣味は「お笑い」「アニメ(狭く深く)」「バドミントンとそれに必要なトレーニング」
「優しく」「仕事ができ」「面白い」人間を目指して日々精進中。