紛失防止をこっそり付けられる!?タグの“便利さ”と“リスク”、そして”対策”

最近ニュースを見ていて、ふと考えさせられた話題があります。それは、皆さんも日常で一度は目にしたことがあるかもしれない「紛失防止タグ」に関する話です。
財布や鍵、子どもや高齢の家族の所在をスマホで確認できる──そんな便利さから、紛失防止タグを使う人は増えています。ですが、その一方で悪用による被害も増えているというニュースが報じられました。
紛失防止タグってそもそも何?
紛失防止タグとは、スマートフォン等のアプリと連動して、つけたものの位置を知るための小さな機器です。財布、鍵、カバンなど、失くしたくない物に付けておくと、遺失物になった際の探索がしやすいというものです。
その便利さから最近では貴重品だけでなく、子どもや家族の持ち物に付けるケースも増えています。スマホとBluetoothなどで通信する仕組みなので、GPSのように衛星を介さなくても位置がおおよそ分かる仕組みになっています。
もともとはAppleのAirTagが有名でしたが、最近ではダイソーなどでも1000円前後で気軽に買えるようですね。
便利さの裏で増える悪用
しかしその性質上、第三者が勝手に他人の持ち物に紛失防止タグを付けてしまい、位置情報を取得するという行為が問題になってきました。
実際、警察庁によると2021年にはわずか3件だった紛失防止タグの悪用相談が、2024年には370件にまで急増しています。これは単なる紛失物探索とは別に、第三者が位置情報を無断で取得する目的で利用されたケースです。
こうした問題は、実際に家庭内でタグを見つけて不安を感じたという事例でも報じられています。例えば、ある家庭では洗濯機から身に覚えのないタグが出てきて、「子どもを狙った不審者が仕込んだのではないか」と不安になったという声もありました。
法制度が変わったということ
こうした被害を受け、政府は「ストーカー規制法」を改正しました。
改正された法律では、紛失防止タグを無断で他人の物に取り付ける行為や位置情報を取得する行為が規制対象になり、違反すると警告や禁止命令の対象となります。繰り返し行った場合は、最悪1年以下の拘禁または100万円以下の罰金が科される可能性もあるということです。
また、従来は被害者からの申し出がないと警察が加害者に警告できませんでしたが、改正後は被害者の申告がなくても警察が職権で警告できる仕組みになりました。これにより、被害者が恐怖や報復を恐れて申告しないケースでも、迅速に対応することが期待されています。
見えないリスクにどう対応するか
このニュースを見て、「便利なものがいつの間にか危険なものにもなり得る」ということを改めて思いました。
もちろん紛失防止タグ自体は大変便利なアイテムです。なくした物を探したり、高齢者や子どもの安全を一部サポートしたりできるものです。しかし、悪用される可能性がある以上、その使い方や管理、そしてルールを理解することが重要です。
普段の生活でできる対策
具体的に、身に覚えのないタグがないかを確認する方法も報じられています。iPhoneでは位置情報サービスとBluetoothをオンにし、「トラッキング通知」を許可することで、見覚えのないタグが自分と一緒に移動している場合に通知が来る仕組みがあります。Androidであれば「Tracker Detect」などのアプリで確認することができます。
また、身に覚えのないタグを見つけた場合は、専門家はまず電池を抜くことを推奨しています。電池を抜けば位置情報の取得を止められますし、外す場所も自宅以外を選ぶことで、位置情報が特定されるリスクを減らすこともできます。
便利さとリスクをどう考えるか
働き方、暮らし方、ツールの使い方──この20年で私たちの生活は大きく変わりました。スマホ一つでさまざまなことができる時代です。その便利さを享受しつつ、リスクや悪用の可能性にも目を向けることが大切です。
今回の法改正は、ひとつの「ルール整備」です。テクノロジーは日々進化しますが、ルールの整備には時間がかかります。企業としても、日常生活でも、便利さだけでなくリスクに備える視点を持つことが求められているのだと感じます。
日常で使っているテクノロジーについて、「分からない」で済ますのではなく、その便利さとリスクについて知っておくことが自分や家族を守ることに繋がると改めて感じました。
