グルメサイトに課金し続けるべき?2026年に向けて飲食店が持つべき考え方とホームページの立ち位置

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「グルメサイトに毎月けっこうな金額を払っているけど、費用対効果が分からない」

「SNSをやった方がいいって聞くけど、どんな戦略がいいの?」

「ホームページを作ったけど、意味あるの?」

こういった悩みを持っている飲食店のオーナーはたくさんいると思います。

悩みの背景には飲食店の集客方法が、ここ数年で大きく変わってきたという事実があります。今回は飲食店にとって有効なウェブ戦略について書いてみたいと思います。

お客様の行動が変わった

まず、お客様がお店を探す方法が、大きく変わってきました。

昔は、「食べログで調べる」とか「ぐるなびで探す」というのが主流でした。でも今は違います。

Instagramで動画を見て気になったお店をチェックしたり、Googleマップで「長崎市 ランチ」と検索して、地図上で近くのお店を探したり。

つまり、グルメサイトだけに頼る時代ではなくなってきているんです。

Googleマップでの表示が超重要に

今、飲食店にとって最も重要なのが、Googleマップでの表示です。これをMEO対策(Map Engine Optimization)と言います。

試しにスマホでGoogleマップを開いて、「ランチ」と検索してみてください。現在地の周辺にあるランチのお店が、ずらっと出てきますよね。

お客様は、このマップ上で表示されたお店を見て、写真や口コミを確認して行くお店を決めます。つまりこのGoogleマップに表示されて、しかも上位に表示されることが集客に直結するんです。

具体的には、Googleビジネスプロフィールというサービスに登録して、店舗情報を充実させることが大事です。営業時間、メニュー、写真、最新情報などを、こまめに更新する。

これだけで、お客様の目に留まる確率が大きく変わってきます。

ショート動画の力がすごい

もう一つ今すごく力を持っているのが、ショート動画です。

InstagramのReels(リール)、TikTok、YouTube Shortsといった短い動画のことです。

料理を作っている様子、湯気が立ち上る瞬間、お店の雰囲気。こういったものを短い動画で見せることで、文字や写真では伝わらない「シズル感」を伝えることができます。

「美味しそう!」と思ってもらえたら、そこからGoogleマップで場所を確認して来店につながる。この流れが今の主流になってきています。

グルメサイトの課題

では、グルメサイトは不要かというと、そういうわけではありません。

ただ、課題もあります。

一つは、掲載費用です。月に数万円から10万円近くかかることもあります。

もう一つは送客手数料です。グルメサイト経由で予約が入ると、1人あたり200円前後の手数料がかかります。月に300人予約が入れば、それだけで6万円です。この手数料が、意外と利益を圧迫しているんですよね。

自社サイト経由の予約が利益につながる

そこで注目されているのが、自社サイト経由でのダイレクト予約です。

お客様が、InstagramやGoogleマップでお店を知って興味を持つ。そしてお店の公式サイトを見て、そのまま予約する。

この流れを作ることができれば、グルメサイトの送客手数料がかかりません。

例えば、TableCheckやトレタ、あるいは「Googleで予約」といったシステムを使えば、自社サイトから直接予約を受け付けることができるようです。(弊社ではまだ実装したことがありません。)

これらのシステムは定額制や無料プランもあるので、送客手数料を払い続けるよりも長期的には利益が残りやすくなります。

ホームページの役割が変わった

ここで大事なのが、ウェブサイトの役割が変わってきたということです。

以前は、「ホームページを作れば、検索で見つけてもらえて、お客様が来る」という考え方がありました。

でも今は違います。

今の飲食店ホームページの役割は、「お客様を集める」ことだけではなく、「SNSやマップで興味を持ってくれたお客様に、信頼してもらって、予約してもらう」ことなのです。

つまり、集客の入り口はSNSやGoogleマップ。ウェブサイトは、最後の決め手となる場所。

だからこそ、ウェブサイトには、お店の世界観がしっかり伝わる写真や文章、そして分かりやすい予約ボタンが必要になります。(予約ボタンをつけない場合は電話番号や問い合わせフォームなど、運営に合わせます)

スマホで見やすいことが絶対条件

そして今の時代、ウェブサイトはスマホで見やすいことが絶対条件です。お客様は移動中や外出先で、スマホでお店を探します。パソコンで見る人はなかなかいません。(職場のPCを使って見る人もいますが)

スマホで開いた時に写真が大きく表示されて、メニューが見やすくて予約ボタンがすぐに分かる。

こういったサイトでないと、せっかく来てくれたお客様を逃してしまいます。

インバウンド対応も考えたい

もう一つ最近重要になってきているのが、インバウンド対応です。

長崎も外国人観光客が増えてきていますよね。彼らは、日本のグルメサイトを見ません。

何を見るかというと、GoogleマップとSNSです。

だからこそ、Googleビジネスプロフィールを英語や中国語、韓国語でも登録しておくことが大事です。メニューも、写真と簡単な英語表記があるだけで、外国人のお客様にとって入りやすいお店になります。

円安の影響もあって、外国人観光客は「太客」になってくれる可能性があります。ここを取り入れるという戦略もアリですよね。

それぞれの手段を組み合わせる

結局、どれか一つだけやればいいというものではありません。

店の規模、オーナーの考えによっても変わりますし、方法は無限大にあるのも事実です。

そして、グルメサイトも、完全にゼロにする必要はありません。ただ、そこに依存しすぎないようにして、自社でのダイレクト予約を増やしていく。この考え方はますます必要になってきます。

そうすることで利益率が改善されて、その分を食材の質向上やスタッフの待遇改善、あるいはさらなる販促活動に回すことができます。

何かあればご相談ください(^^)

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この記事を書いた人
T.kawano

T.kawano

宮崎生まれ、宮崎&長崎育ち。長崎西高、長崎大学経済学部卒。
在学中からWeb業に従事して約20年。人生の半分以上をWebに注いできました。

デザインからライティング、撮影、プログラミングまでやっており、専門家としてセミナーをしたり、Webでお困りの方の相談にも乗ってきました。

「話す・作るWebディレクター」として活動中。
器用貧乏を逆手に取り、ITの力を活用して少数精鋭の組織で動いています。

三児と一猫の父。趣味は「お笑い」「アニメ(狭く深く)」「バドミントンとそれに必要なトレーニング」
「優しく」「仕事ができ」「面白い」人間を目指して日々精進中。