ビジネスメールや打ち合わせで「○○会議」の名称は貴会?御会?何と呼び、何と書けば良い?
「男女共同参画推進会議」のようなお客様を呼ぶとき、メールでは何と書けば良いのか。話すときは何と呼べば良いのか、迷いませんか?
まず書く時と言う時は呼び名が変わるということを知っておいてください。
メール・文書では「貴会」が正解
メールや文書で相手の組織を呼ぶ場合は、**「貴会(きかい)」**が正解です。
「貴~」は、相手の所属や組織に対する尊敬語です。例えば以下のようなものです。
- 貴社(きしゃ)=相手の会社
- 貴校(きこう)=相手の学校
- 貴会(きかい)=相手の会・協会・団体
メールの例文はこうなります。
「平素より大変お世話になっております。貴会の益々のご発展をお祈り申し上げます。」
これは書き言葉として定着している表現なので、安心して使えます。
話し言葉では「御会」は使わない
では、話すときはどうでしょうか。
「御社」があるんだから「御会(おんかい)」でいいのでは?と思いませんか。
実は、これが不自然なんです。
「御(おん・ご)」も敬語接頭辞ですが、日常で「御+会」という組み合わせは慣用表現として定着していません。「御社」や「御校」は昔から使われてきた固定表現ですが、「会」はそうした固定語としては発達しなかったため、聞く側に違和感を与えてしまうのです。
文法的には「ありえる」けれど、実際には使われない。それが「御会」です。
では話すときは何と呼ぶ?
話し言葉では、次のような言い方が自然です。
- 「男女共同参画推進会議様では…」
- 「そちらの会議では…」
- 「御団体では…」
具体的にはこんな感じです。
「男女共同参画推進会議様の取り組みについてお伺いします。」 「そちらの会議では、どのような活動をされていますか?」
このように「様」付きで呼ぶのが最も丁寧で自然です。
まとめ:使い分けの表
用途 | 正しい言い方 | 補足 |
---|---|---|
メール・文書 | 貴会 | 相手の組織に敬意を示す |
話し言葉 | ○○会議様 または 御団体 | 「御会」は使わない方が自然 |
そもそも、なぜ団体なのに「会議」という名前?
ここまで読んで、こう思いませんでしたか。
「そもそも、なぜ団体なのに『会議』って名前がついているの?会議って一時的なものに感じるのに」
実は、これも日本の行政用語の特徴なんです。
「会議」が団体名につく理由
日本の行政では、「会議」という語が「継続的に活動する協議体」や「審議組織」を意味する場合に使われます。
つまり以下のようになります。
- 一度きりの打ち合わせ → 会議(小文字)
- 継続的に存在する団体 → ○○会議(固有名詞)
というように、「会議」という言葉が「組織・団体」の名前として機能しているのです。
全国にある「○○会議」の例
実例を挙げるとわかりやすいですね。
- 男女共同参画推進会議
- 地方創生推進会議
- 自殺対策推進会議
- 健康長寿県づくり推進会議
これらはいずれも「会議」という名の団体・協議体です。「委員」「構成員」「顧問」などを置き、定期的に会議を開催して政策を話し合い、提言・広報・支援などを行います。
つまり、「会議」という名前がついていても、実態は常設の組織(団体)なんです。
「会」や「協会」との違い
名称 | ニュアンス | 主体 |
---|---|---|
○○会 | メンバー同士の親睦・活動が中心 | 民間・自主的 |
○○協会 | 専門分野の団体・法人格あり | 民間・公益法人など |
○○会議 | 政策や推進のための協議体 | 行政・官民合同 |
つまり、「○○推進会議」は「○○を推進するために行政・企業・団体が継続的に協議・連携する組織」という意味になります。
民間なら「○○会」や「○○協会」になるところを、公的性格が強い場合は「○○会議」と名づけることが多いのです。
最後に
「○○会議」という名称の団体に対しては、以下のように覚えておきましょう。
メールでは「貴会」、話すときは「○○会議様」または「御団体」
これを覚えておけば、間違いありません。
そして、「会議」という名前がついていても、一時的な集まりではなく継続的に活動する常設組織だということも理解しておくと、相手の活動内容もより深く理解できるようになります。
ビジネスシーンでの小さな気遣いが、相手への敬意を示すことにつながります。