「急にアクセスが10倍に!」でも喜んではいけない理由~リファラースパム(wake-up-network.com)の正体~

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先日、クライアントのサイトのアクセス解析を行っていると、1日だけ飛び抜けてアクセスが増えた日がありました。普段の数倍から10倍近いアクセス数が記録されていたんです。

でも、参照元を詳しく調べてみると…「wake-up-network.com(※このドメインにアクセスしないでください。)」という見覚えのないドメインからの大量アクセス。これは喜ぶべき状況ではありませんでした。実は「リファラースパム」という迷惑行為の被害に遭っていたんです。

リファラースパムって何?

リファラースパムとは、アクセス解析データを意図的に汚染する迷惑行為のことです。スパムメールのように、アクセス解析の世界にも悪質な業者が存在するんです。

目的は主に2つ

  1. 怪しいサイトへの誘導(フィッシング詐欺やウイルス感染など)
  2. 偽のSEO業者やアクセス水増しサービスへの勧誘

今回の「wake-up-network.com」も典型的なリファラースパムで、全国的にGA4(Googleアナリティクス4)での報告が増えているそうです。

なぜこんなことが起きるの?

リファラースパムには2つのタイプがあります。

ゴースト型(今回のタイプ) 実際にはサイトに来ていないのに、Googleアナリティクスに直接データを送り込むタイプ。つまり、サーバーには実際のアクセスがないのに、解析データだけが操作されています。

クローラー型 ボットが実際にサイトへアクセスするタイプ。こちらはサーバーログにも記録が残ります。

今回の「wake-up-network.com」はゴースト型の可能性が高く、だからサーバー側でアクセスをブロックしても効果がないんです。

「本当にスパムなの?」を見分ける方法

Googleアナリティクスで簡単にチェックできる方法があります。

ホスト名をチェック GA4で「レポート」→「テクノロジー」から「ホスト名」を確認してみてください。自分のサイトのドメイン名以外のホスト名に大量のアクセスが紐づいていれば、ゴーストスパム確定です。ゴーストスパムは、実際にはあなたのサイトに来ていません。そのため、GA4のデータには「あなたのドメインではないホスト名」が紐づいて記録されることがあります。

参照元をチェック 「集客」→「トラフィック獲得」で怪しいドメインからの大量アクセスがないか確認します。今回のように見覚えのないドメインから異常な数のアクセスがあれば、スパムの可能性が高いです。

絶対にやってはいけないこと

好奇心で「どんなサイトなんだろう?」と思っても、絶対にそのドメインにアクセスしてはいけません

フィッシング詐欺サイトやウイルス感染の危険があります。実際、「wake-up-network.com」も悪質なサイトにリダイレクトされるという報告があります。

対策はどうすればいい?

リファラースパム対策は技術的に複雑で、しかもGoogleアナリティクスの仕様変更などにより、対処法も変わってきます。

基本的な対策の流れ

  1. GA4の「不要な参照のリスト」に怪しいドメインを追加
  2. レポート上でのフィルター設定
  3. 今後の汚染防止設定

ただし、設定方法を間違えると正常なデータまで除外してしまったり、逆に設定が無効になってしまったりすることがあります。

なぜ専門家に相談した方がいいのか?

リファラースパム対策が難しい理由がいくつかあります。

設定の複雑さ Googleアナリティクスの設定は年々複雑になっており、正規表現やフィルター設定などの専門知識が必要です。

常に進化する手口 スパム業者も手口を進化させ続けているので、一度対策しても新しいドメインで同じ攻撃を受ける可能性があります。

データの重要性 間違った設定をしてしまうと、重要な正常データまで除外してしまったり、過去のデータが正しく分析できなくなったりします。

他の脅威への対応 リファラースパム以外にも、ボット攻撃やクローラー対策など、サイトセキュリティには様々な対策が必要です。

私達のようなWeb会社にまずは相談しましょう。

「急にアクセス増加」は要注意のサイン

今回のケースのように、急激なアクセス増加は必ずしも良いニュースではありません。特に以下のような場合は注意が必要です。

  • 見覚えのない参照元からの大量アクセス
  • 地域や言語の分布が不自然
  • エンゲージメント率(滞在時間など)が極端に高い・低い
  • 特定のページだけに集中したアクセス

こうした異常を発見したら、まずは専門家に相談されることをお勧めします。

まとめ

リファラースパムは、一見すると「アクセス増加」という嬉しいニュースに見えますが、実際はサイト運営に悪影響を与える迷惑行為です。

正確なデータ分析ができなくなるだけでなく、セキュリティ上のリスクもあります。そして、対策には専門的な知識と継続的なメンテナンスが必要です。

もし「急にアクセスが増えた」「解析データに違和感がある」といった状況がありましたら、お気軽にご相談ください。適切な診断と対策で、安心してサイト運営を続けていただけるようサポートいたします。

インターネットの世界には様々な脅威がありますが、適切な対策を取れば安全に運営できます。一人で悩まず、専門家の力を借りながら対処していきましょう (^^)

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この記事を書いた人
T.kawano

T.kawano

宮崎生まれ、宮崎&長崎育ち。長崎西高、長崎大学経済学部卒。
在学中からWeb業に従事して約20年。人生の半分以上をWebに注いできました。

デザインからライティング、撮影、プログラミングまでやっており、専門家としてセミナーをしたり、Webでお困りの方の相談にも乗ってきました。

「話す・作るWebディレクター」として活動中。
器用貧乏を逆手に取り、ITの力を活用して少数精鋭の組織で動いています。

三児と一猫の父。趣味は「お笑い」「アニメ(狭く深く)」「バドミントンとそれに必要なトレーニング」
「優しく」「仕事ができ」「面白い」人間を目指して日々精進中。