「ゆるす」に「けっこんのこん」でなんと読む?突然聞かれたら…

2509文字 Blog, シリーズ『学び』

日曜日の夜、リビングでゆっくり過ごしていると長女から急に聞かれました。

「ゆるす」に「けっこんのこん」で何と読む?

クイズではなくて単純に読み方が分からなかったみたいで聞いたみたいです。言葉で言われたので頭で組み立てる必要がありました。

「許」に「婚」で…「許婚」。

きょこん?

…いや、違うな

あっ「いいなずけ」だ!

危うく間違えるところでした。言葉で問題を出されると、正解ではない方向に脳がいってしまうことってありますね。頭の中で一度漢字を組み立ててから読み方を考える、このワンクッションが意外と難しいんです。

「きょこん」でも正解だった

後で調べてみたら、実は「きょこん」と読むのでも正解だそうです。辞書にもしっかり載っていました。「許婚(きょこん)」は婚約をすること、また婚約をした人を指す言葉として認められています。

ただし一般的には「いいなずけ」と読まれることが多く、「きょこん」という読み方を知っている人は少ないようです。実際、もし誰かが「私にはきょこんがいる」と言っても、多くの人は「許婚」のことだとは理解できないかもしれません。むしろ「漢字に弱い人なのかな」と思われてしまう可能性もあるとか。

でも辞書に載っている以上、間違いではないんですよね。日本語って面白いです。

「いいなずけ」か「いいなづけ」か

そしてもう一つ疑問が湧いてきました。「いいなずけ」と「いいなづけ」、これはどちらが正解でしょう?

調べてみると、実はどちらも正解だそうです。発音する時は全く同じ音なので区別する必要はありません。書く時も「いいなずけ」でも「いいなづけ」でもどちらでも良いんです。

現代では「いいなずけ」と書くのが一般的ですが、古い文献などでは「いいなづけ」と表記されていることも多いようです。辞書にも両方の表記が載っていて、Wikipedia でも「許婚(いいなずけ、いいなづけ、きょこん)」と3つの読み方が併記されています。

ちなみに「許婚」だけでなく「許嫁」とも書きます。「嫁」の字を使っても読み方は同じで「いいなずけ」です。こちらは「きょか」とも読むことがあるようですが、やはり「いいなずけ」が一般的です。

語源を調べてみた

「いいなずけ」という言葉の語源も興味深かったので調べてみました。

最も有力な説は、古語の「言ひ名付く(いひなづく)」から来ているというものです。これは「親同士が子供の結婚を約束する」という意味の言葉だったそうです。男性主導の婚姻として嫁入り婚が成立し、あらかじめ婚約をするという慣例が生まれた頃に使われ始めたと考えられています。

古代、男性が女性の名を知ることが、その女性を占有することと同義だった時代があったそうです。結婚を前提としての交流手段だったんですね。この風習に関する記述は『万葉集』などでも散見されるとのこと。

室町時代のころから武家の間で男性支配の婚約の形として、当事者の意志に関係なく取り交わされる形になりました。戦乱の世の中で、政略として結婚が行われたためと考えられています。この時代の「いいなずけ」は当事者の意志を無視したものであり、悲運に泣いた女性の物語も多く残されています。

「許婚」「許嫁」という字は、実は当て字なんですね。女性が「嫁」に行く、そのことを双方の親が先んじて「許」し合う、そういった意味から当てられた字だと推測できます。

長女が聞いた理由

ちなみになぜ長女がこの質問をしたかというと、新しい「らんま1/2」のテーマソングが好きだけどタイトルが読めなかったとのこと。

タイトルは「許婚っきゅん」。

正解は「いいなずっきゅん」だそうな。anoちゃんが歌っているTVアニメ「らんま1/2」のオープニングテーマです。

「らんま1/2」は高橋留美子先生の名作漫画で、1989年にもアニメ化されていましたが、今回は完全新作として制作されたそうです。主人公の早乙女乱馬と天道あかねは、親同士が決めた「許婚」という設定なので、オープニングテーマのタイトルにピッタリですね。

私は昔のらんまの記憶がなんとなく残っていたので、昔の歌の印象が強いですね。

長女はこの曲が気に入っているようで、よく聴いているようです。でもタイトルの漢字が読めなくて気になっていたんでしょう。そして私に聞いてきたというわけです。

親子二代でらんまを見るなんてなんだか感慨深いです♪

小2の次女が読んだのは

この会話の途中、小学2年生の次女がらんま1/2を見て

「いちがつふつか?」

っていきなり言いました。

なるほど、日付に見えたのか!これはかわいいですね!
でもちゃんと「ふつか」って読めたのはエライと思います(親バカ)。

確かに「1/2」だけ見せられたら、小学2年生なら日付と思ってもおかしくありません。次女なりに一生懸命考えて読んだんだと思うと、微笑ましくなりました。

日本語の奥深さを実感

今回の出来事で、改めて日本語の奥深さを実感しました。

「許婚」という2文字の漢字に、「いいなずけ」「いいなづけ」「きょこん」という3つの読み方があって、しかもどれも正解。発音が同じでも表記が2通りあって、どちらでも良い。そして当て字である、という事実。

普段何気なく使っている言葉でも、調べてみると色々な発見があるものですね。長女からの質問がきっかけで、語源や歴史まで知ることができて、私自身とても勉強になりました。

子供からの素朴な質問って、大人が忘れかけていた「なぜ?」を思い出させてくれます。「なんで?」「どうして?」と聞かれて、答えられなくて調べてみたら、自分も知らなかったことを発見する。そういう学びの機会を子どもが与えてくれました。

昔から子ども達は急に「○○って何?」って聞いてくるのでドキっとしますが、なんとか調べずに答えてきています。(正解率は100%ではありませんが)

ネットで調べればすぐに分かることですが、パッと聞かれてパッと答えられるカッコイイ父親でいたいものです(^^)

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この記事を書いた人
T.kawano

T.kawano

宮崎生まれ、宮崎&長崎育ち。長崎西高、長崎大学経済学部卒。
在学中からWeb業に従事して約20年。人生の半分以上をWebに注いできました。

デザインからライティング、撮影、プログラミングまでやっており、専門家としてセミナーをしたり、Webでお困りの方の相談にも乗ってきました。

「話す・作るWebディレクター」として活動中。
器用貧乏を逆手に取り、ITの力を活用して少数精鋭の組織で動いています。

三児と一猫の父。趣味は「お笑い」「アニメ(狭く深く)」「バドミントンとそれに必要なトレーニング」
「優しく」「仕事ができ」「面白い」人間を目指して日々精進中。