ある営業メールで見えた「本当に心に響くコミュニケーション」とは

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ホームページに問い合わせフォームを設けているので、毎日いろんな内容のメールが届きます。

主にはサービスの協業提案や新しいサービスの営業など、いわゆる営業メールや広告メールが多いのですが、その中でもフリーランスの方々から「デザインを受け負います」「コーディングを受け負います」といった、自己紹介を交えた営業メールが届くことがあります。

最近、そんな営業メールの中で「これは素晴らしい」と思わず感心してしまうメールに出会いました。

よくある営業メールのパターン

ここは想像なのですが、コンサルタントか何かの方に教えてもらって、各地域のホームページ制作会社を片っ端から連絡していっているのかなと思っています。

そう感じる理由は、内容がだいたい似通っているから。経験年数は浅い人から長い人まで様々ですが、デザインやコーディング、または両方をカバーするなど、それぞれのスキルをアピールする構成はほぼ同じです。

どの人たちもとても上手にアピールしていて、自分の強みやこれまでの制作事例などをスライドショーにまとめて、分かりやすく綺麗に作っています。プレゼンテーション資料としてはとても完成度が高く素晴らしいのですが、どうしても「同じフォーマットでいろいろな会社に送っている」感じが伝わってきます。

そのため、基本的にはさらっと目を通すだけで終わることが多いのですが、ごく稀に「あ、この人は違うな」と思うメールがあります。

心に響いた一通のメール

最近届いたメールがまさにそれでした。

自己紹介以外に、うちのホームページをちゃんと見た感想を交えて書いてくれていたのです。例えば「毎日ブログ更新をしているのがすごい」といった内容に加えて、「実績を月毎にちゃんと更新している点」も褒めてくれました。

私がすごいなと思ったのは、ちゃんと相手のことを見ていて、さらに相手のことを見ていないと出せない言葉が入っていることでした。でも、それだけではありません。そのさらに奥の「配慮」の言葉まで入っていたのです。

例えば、毎日ブログを更新することの大変さに対する理解や、継続することの価値について触れてくれていたり、事例更新のことまで共感を示してくれていたり。これらは表面的な観察だけでは出てこない、深い理解と配慮があってこそ出てくる言葉だと思います。

素晴らしいコミュニケーションとは

これは非常にコミュニケーションとして素晴らしいと感じました。

ここまでしっかりとした内容を書けているメールは、今までなかったかもしれません。もちろんこれまでも褒めてくれたり、何かに触れてくれたりしたメールはあり、その方々も素晴らしいコミュニケーションができる人でしたが、今回のようにさらに奥の配慮ができている点は本当に素晴らしいと思いました。

この方には思わず返信してしまいました。「こういった配慮ができるのであれば、他でも仕事をきちんといただけると思うので頑張ってくださいね」というエールを添えて。

すると、すぐにしっかりとそれを受け止めて喜んでくれて、さらに配慮したような内容を送ってくれました。この人はメールでのやり取りがとても気持ちよくできる人だなと思って、何かの機会で仕事をお願いしたいなと思いました。

仕事のつながり方

このようにして仕事はつながっていくのだろうと思いました。

スキルや経験、価格などの条件も確かに重要ですが、それ以前に「この人と一緒に仕事をしたい」と思えるかどうかが大きな要素になります。特にフリーランスの方との仕事では、個人対個人のコミュニケーションが中心になるので、この要素はより重要になってきます。

技術的なスキルは後から身につけることもできますが、相手への配慮や気遣いができる人柄は、そう簡単に変えられるものではありません。だからこそ、こういった部分で差が出るのかもしれませんね。

営業メールから学ぶビジネスの本質

こういう営業メールを受ける立場になって改めて思うのは、これは私たちがやっているビジネスと何ら変わりがないということです。

どうやったら自分に振り向いてもらえるか、そして自分を選んでもらえるか。フリーランスの方が営業メールで悩んでいることは、私たちが顧客にサービスを提案するときに考えていることと同じです。

その中でも、やはり気持ちよくやり取りができる相手と仕事をしたいと思うのは自然なことです。技術力や価格も大切ですが、それと同じくらい「人として信頼できるか」「コミュニケーションが円滑に取れるか」という要素が重要になってきます。

相手の立場に立って考える

これは営業メールに限らず、あらゆるコミュニケーションに言えることだと思います。

相手の立場に立って考え、相手が何を大切にしているのか、何に苦労しているのかを理解しようとする姿勢。そして、その理解を踏まえて適切な言葉を選ぶ配慮。これができるかどうかで、コミュニケーションの質は大きく変わってきます。

私たちも顧客とのやり取りで、こういった配慮ができているかを改めて見直してみる必要があるなと感じました。

面白い仮説:AIで作った文章だったら…

ちょっと面白い想像もしてみました。

ChatGPTやGeminiなど最近のAIは本当に優れているので、今回の私のホームページを褒めてくれたのも「AIが書いた」のでは?という仮説も立ててみました。

それを嬉々としてブログにしている私を想像したら…ちょっと笑けてきましたが、ここでもう1つ大切なポイントです!

今回のお褒めのメールがAIに作ってもらった文章であっても構わない

ということ。

理由は、

「私の心に響いたから」

結局は人間が書いたのかAIが書いたのかが大事ではなく、「相手の心に響いたか」なのです。

最近ガストに猫型の配膳ロボを見かけるようになりましたよね?

配膳中の時周りの反応をよく見るのですが、皆さんほっこりした顔で見ていますよ。さらに届けてくれた時に「ありがとうね〜」と言っている人までいる。私も微笑みます。

このように人間でなくてもそれ自体に感動したのであれば何が起因していても構わないということ。

だから、例え今回の文章がAIの助けで作られていても全然良いということなのです。

私の場合、逆にAIを利用してこの文章を作っていた方が評価は高いかもしれません。なぜなら、AIを使いこなしつつ人が見た時に違和感のない文章に編集している可能性もあるので。これからの時代に合った素晴らしいスキルなのですよね。

まとめ

今回のメールを通じて、改めてコミュニケーションの大切さを実感しました。

技術力や経験も重要ですが、それと同じくらい「相手への配慮」「相手への理解」「気持ちの良いやり取り」ができるかどうかが大切なんだと思います。

こういう出会いがあると、営業メールも悪いものではないなと思えてきます。私たちも、顧客とのコミュニケーションで同じような配慮ができているか、改めて見直してみたいと思います!!

Nさん、素敵な体験をありがとうございました(^^)

お褒めのメールに喜ぶ私のイメージ(だいぶ可愛くしたver)

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この記事を書いた人
T.kawano

T.kawano

宮崎生まれ、宮崎&長崎育ち。長崎西高、長大経済学部卒。
在学中からWeb業に従事して約20年。人生の半分以上をWebに注いできました。

デザインからライティング、撮影、プログラミングまでやっており、専門家としてセミナーをしたり、Webでお困りの方の相談にも乗ってきました。

「話す・動く・作るWebディレクター」として活動中。
器用貧乏を逆手に取り、ITの力を活用して少数精鋭の組織で動いています。

三児と一猫の父。趣味は「お笑い」「アニメ(狭く深く)」「バドミントンとそれに必要なトレーニング」
「優しく」「仕事ができ」「面白い」人間を目指して日々精進中。