携帯回線の問い合わせでソフトバンク→ワイモバイル⇄ジャパネットたかたを1時間のたらい回し。複雑なサービスとユーザーの「備え」について

2475文字 Blog, シリーズ『学び』

義理の父母の携帯プランを見直そうと思い、現在の契約内容を確認しようと電話をかけたところ、まさかの1時間近いたらい回しに遭遇してしまいました

正直なところ、途中で諦めてしまいたくなるような体験だったのですが、この出来事から「複雑になったサービスとの付き合い方」について、いろいろと考えさせられることがありました。

5年半前の「お得な契約」が生んだ複雑さ

事の発端は、5年半前にJapanet経由で契約したスマホプランでした。当時は端末付き、電話かけ放題、データ容量9GBで月約4,000円という、なかなかお得なプランだったんです。

ところが気がつくと月1,000円ほど値上がりしており、義父母の用途も変わり、他社からもっと安いプランが出ている今、プラン変更を検討することにしました。まずは現在の契約内容を確認しようと、クレジットカードの明細を見ると「ソフトバンク」と記載されていたので、ソフトバンクに電話をかけました。

「こちらには情報がございません」

どうやらY!mobileの回線だったようで、たとえY!mobileでもクレジット明細にはソフトバンクと表示されるとのこと。知らなかった…。

始まった「どこに聞けばいいの?」の無限ループ

次にY!mobileに問い合わせると、「Japanet経由の契約なので、Japanetのサポート窓口にお問い合わせください」と案内されました。

JapanetのY!mobileサポート窓口に連絡すると、今度は「何の端末を使っていましたか?」と聞かれ、確か「ファーウェイのシリーズだった」と答えると、「5年半前のファーウェイ端末についてはこちらの窓口にまだ情報がない頃ですので、Y!mobileに確認してください」と言われてしまいました。

「でも、Y!mobileではJapanetに聞いてくださいと言われたんですが…」 「それでしたら、ファーウェイ端末だったとY!mobileに伝えれば大丈夫です」

再びY!mobileに電話をかけ直し、経緯を説明すると、「それはJapanet契約ですので…」と、また同じ回答。

流石にここで「このままではたらい回しになってしまうので」とファーウェイの件をしっかり説明したところ、担当者の方が腑に落ちない頃ながらも保留にして確認していただき、ようやく「この当時の契約についてはY!mobileで対応します」ということになりました。

怒らなかった理由と、それでも感じた不便さ

正直なところ、この体験で怒りを感じなかったわけではありません。怒らなかった理由もあります。

それぞれの会社にはそれぞれのルールがあり、特に複数の会社をまたぐ契約については、どうしても複雑になってしまうのは仕方のないこと。担当者の方々も、自分たちのルールの範囲内で対応してくださっているわけですから。

もう一つ、私が今回怒らなかった大きな理由として、以前コールセンターのホームページ制作に携わった経験があることも挙げられます。その際に現場の方々とお話しする機会があり、コールセンター業務の大変さを間近で見てきました。

担当者の方も一人の人間ですから、知っている知識には限度があります。特に今回のような複雑な契約形態—Japanet経由でY!mobile回線を契約し、5年半前のファーウェイ端末を使用—といった変化球のような事例は、正直マイノリティな少数派のケースです。知らなくて当然なんですよね。

こうした事例は過去にも発生しているはずで、おそらくデータベース化されているか、経験豊富な先輩社員が解決方法を知っているかで対応されることが多いのだと思います。実際、今回の方法はどちらで解決したか分かりませんが、担当者の方が保留にして確認してくれたことで解決しました。

コールセンターのスタッフの皆さんは、日々膨大な量の商品知識やルールを覚え、様々なお客様対応をこなしてくださっています。そんな努力をしている方々に対して怒るなんて、もってのほかです。(もちろん態度が悪すぎる方がいれば話は別ですが)

ただし、毎回の個人情報確認や、同じ説明の繰り返しで約1時間も費やしたのは、やはり手間に感じました。一般の方だったら、途中で諦めてしまうか、かなり怒ってしまうのではないでしょうか。こうなると悲しい結末になってしまいますね…

ユーザー側にも「備え」が必要な時代

今回の件で痛感したのは、「契約時の情報管理」の重要性です。

どこで契約したのか、問い合わせ先はどこなのか、端末は何を使っているのか—こうした情報を何年経ってもすぐに取り出せるよう、きちんとメモして保管しておく必要があるんですね。

私自身、今回はメモの取り方が不十分だったために、このような事態になってしまいました。契約時は「お得になった!」という嬉しさで、つい細かい情報の管理を怠ってしまいがちです。

複雑さの背景にある「お得さ」との兼ね合い

もちろん、理想的には会社側がもっと分かりやすいサービス体系にしてくれれば一番なのですが、現実的にはなかなか難しい面もあります。

複数の会社が連携したり、複雑な料金体系を組み合わせたりすることで、ユーザーにとってお得なプランを提供できているという側面もあるからです。シンプルにすれば料金が上がってしまう、という場合もあるでしょう。

これからの「賢いユーザー」に必要なこと

今回の体験を通じて感じたのは、サービスが多様化・複雑化している今の時代、ユーザー側にもある程度の「情報管理スキル」が求められているということです。

契約書類や重要な情報は、デジタルでもアナログでも、後から簡単に見つけられる形で保管しておく。問い合わせ先や契約の詳細は、スマホのメモアプリにでも記録しておく。こうした「小さな備え」が、いざという時の手間を大幅に減らしてくれます。

複雑な時代だからこそ、お互いに歩み寄りながら、より良いサービスを築いていけたらと思います(^^)

前の記事 次の記事
この記事を書いた人
T.kawano

T.kawano

宮崎生まれ、宮崎&長崎育ち。長崎西高、長大経済学部卒。
在学中からWeb業に従事して約20年。人生の半分以上をWebに注いできました。

デザインからライティング、撮影、プログラミングまでやっており、専門家としてセミナーをしたり、Webでお困りの方の相談にも乗ってきました。

「話す・動く・作るWebディレクター」として活動中。
器用貧乏を逆手に取り、ITの力を活用して少数精鋭の組織で動いています。

三児と一猫の父。趣味は「お笑い」「アニメ(狭く深く)」「バドミントンとそれに必要なトレーニング」
「優しく」「仕事ができ」「面白い」人間を目指して日々精進中。