毎日書いているのに忘れてしまう~ブログ記憶の不思議なパラドックス~

1981文字 Blog, シリーズ『学び』

最近、ちょっと不思議なことに気づいたんです。毎日ブログを書き続けているのに、過去に書いた記事の内容をすっかり忘れてしまっているんですね。一方で、以前たまにしか更新していなかった頃のブログの方が、なぜか鮮明に覚えている。「あの時、こんなことを書いたな」と、内容まで詳しく思い出せるんです。これって、すごく不思議だと思いませんか?

なぜたまにしか書かない方が覚えているのか

毎日ブログを書いている今は、記事を書いた直後は何度か見返すんです。翌日くらいまでは書いたものを再度見るので「昨日はこんなこと書いたな」って覚えているんですが、その後は次の記事を書かないといけないので、過去の記事を見返す機会がほとんどないんですよね。時間が経つと、本当に何を書いたか思い出せない。

でも、以前たまにしか更新していなかった頃は違いました。一つの記事を何度も何度も見返していたんです。もちろん書く時も何度も見返しますし、書いた後も数日間その記事を見ることも。新しい記事をすぐに書いていなかったのでそうい反芻(はんすう)する機会が何度もあったのですよね。

牛が一度食べたものを胃から口に戻して再び噛み直すように、私たちの記憶も「反芻」することで定着していくんですよね。たまにしか書いていなかった頃は、知らず知らずのうちに、この反芻の数が多かったのだと思います。

毎日書くことの功罪

毎日書くことの価値は間違いなくあります。継続することで文章を書くこと自体に慣れるし、ネタを見つける力も確実に向上します。でも、その一方で、一つ一つの記事との関わりが浅くなってしまうのも事実なんですよね。

書いたら次、書いたら次、という感じで、まさに「書きっぱなし」状態になってしまう。量を重視してしまうと、どうしても一つ一つへの関わりが薄まってしまいます。

私的には、自分が書いた記事の内容を全部覚えておきたいという想いがあります。特に、時間をかけて調べて書いた記事や、良いアイデアが浮かんで書いた記事は、できれば記憶に留めておきたい。書いた記録としてだけでなく、日常の話題でも使いたいんです。でも、毎日書き続けるとなると、どうしても「次、次」という状況になってしまいます。これは少し悲しいことですが、継続することを優先するなら、ある程度は仕方のないことなのかもしれません。

たまには立ち止まって振り返ってみる

とはいえ、何かできることはあるはずです。最近考えているのは、たまには意識的に過去記事を見返す時間を作ってみようかなということです。

日曜日の夜に、その週に書いた記事を読み返してみる。「あ、こんなこと書いたんだっけ」って思い出しながら、気づいたことや改善点をメモしておく。特に良く書けたなと思う記事は、なぜ良かったかを考えてみる。月に1回くらいは、その月に書いた記事を通して読んでみるのも良いかもしれません。

Google Analyticsを見ると、どの記事がよく読まれているかが分かるんですよね。閲覧数の多いページを確認して、なぜその記事が読まれているのかを考えてみる。読者がどんな情報を求めているかが見えてくるし、今後の記事を書く時のヒントにもなりそうです。

反芻(はんすう)することの意外な効果

過去記事を振り返ることには、記憶定着以外にも色々なメリットがありそうです。過去の文章を客観視できるので、表現の改善点に気づけるし、文体の一貫性も保てそう。同じような内容の重複も避けられるかもしれません。

何より、「こんなにたくさん書いてきたんだ」という実感が湧いて、自信にもつながりそうです。毎日書いていると、どうしても「今日も書かなきゃ」というプレッシャーばかりが先に立ってしまいがちですが、たまには自分の積み重ねを振り返ってみることで、モチベーションの維持にもつながるのではないでしょうか。

デジタル時代の記憶との付き合い方

考えてみれば、これは現代特有の悩みなのかもしれませんね。デジタル時代には情報が大量に生産され、消費されます。そんな中で、自分が作った情報との関わり方も変わってきているのでしょう。

全てを記憶する必要はないのかもしれません。大切なのは、必要な時に素早くアクセスできることなのかも。自分の記事を検索しやすくする工夫をしたり、ブログプラットフォームの機能を活用して年別・月別に整理したり、お気に入り記事をブックマークしておいたり。

でも、やっぱり完全に機械任せにするのではなく、自分の中にもある程度は記憶として残しておきたいという想いもあります。

以前から反芻の力のすごさを実感していますが、まだまだ奥が深いです。たまには立ち止まって、自分の歩んできた道を振り返ってみることで、きっと新しい気づきが得られるはずです (^^)

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この記事を書いた人
T.kawano

T.kawano

宮崎生まれ、宮崎&長崎育ち。長崎西高、長崎大学経済学部卒。
在学中からWeb業に従事して約20年。人生の半分以上をWebに注いできました。

デザインからライティング、撮影、プログラミングまでやっており、専門家としてセミナーをしたり、Webでお困りの方の相談にも乗ってきました。

「話す・作るWebディレクター」として活動中。
器用貧乏を逆手に取り、ITの力を活用して少数精鋭の組織で動いています。

三児と一猫の父。趣味は「お笑い」「アニメ(狭く深く)」「バドミントンとそれに必要なトレーニング」
「優しく」「仕事ができ」「面白い」人間を目指して日々精進中。