東日本大震災から14年──震災が残したもの、そしてペットや動物たちの命

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今日は2025年3月11日。東日本大震災から14年が経ちました。

あの日の出来事は、日本中、そして世界中の人々の記憶に深く刻まれています。震災そのものの被害はもちろんですが、その後の復興の道のり、避難生活、そして残された命のことを考えると今でも胸が痛くなります。

震災は、一瞬で多くの命を奪ってしまいます。どれだけ文明が発展し、技術が進歩しても、自然の猛威の前では人間はあまりにも無力です。

一方で、ペットや家畜といった動物たちの運命についても考えさせられました。

避難できなかったペットたち

震災が発生したとき、多くの飼い主たちは避難所に向かいました。しかし、当時の避難所のほとんどはペットの受け入れを認めておらず、多くの人が家に置いていく選択を迫られました。

結果、家に残されたペットたちは、食料や水が尽きて餓死をしたり、建物の崩壊や津波によって命を落とした子たちもいました。

一部の自治体や動物愛護団体が後から救助に入ったものの、避難所でのペットの受け入れ態勢が整っていなかったため、飼い主とペットが再会できるまでに時間がかかることも多かったようです。

ある飼い主さんは、「愛犬を置いて逃げるしかなかった」と当時の状況を振り返り、「家に戻ったとき、必死で玄関を掘り返したら、そこにうずくまるようにしていた愛犬の遺体を見つけた」と語っていました。

ペットも大切な家族。それなのに、あの日は「連れて行けない」という現実がありました。

牧場の牛たち──真っ黒になった命

震災による原発事故で避難区域となった地域では、家畜を置いて避難しなければならなかった牧場も多くありました。

ある牧場主は、避難指示が出た当時、牛たちをその場に残していくしかありませんでした。震災からしばらくして戻ることができたとき、そこで目にしたのは真っ黒になった牛たちの姿でした。

長い間、雨風にさらされ、汚れとやせ細った体で倒れていく牛たち。そして、おそらく空腹に耐えきれなかったのでしょう。牛舎の木製の柱や柵が、ぼろぼろにかじられていたという話もありました。

この話を見たとき、想像するだけで胸が締め付けられました。

「牛たちも、生きるために必死だったんだろうな……。」

と。食料もない、誰も来ない、ただ耐えるだけの日々。それでも、生き抜こうとした命がそこにありました。

牧場主は「ご飯を与えておくと乳が張ってしまい、乳を出せない状況では痛くて苦しんでしまう…」

そんなことをさせたくないという想いからご飯を与えずにその場を後にし、

「こんなに戻って来られないのが分かっていれば、せめて最後はお腹いっぱいにさせてあげれば良かった」という話を見た時はさすがに私も耐えられませんでした。

「もし次の災害が来たら?」──今できる備え

ペットや家畜の問題は、震災から時間が経った今でも解決しきれていない部分があります。しかし、過去の経験をもとに、少しずつ前進もしています。

1. ペットと一緒に避難できるように

東日本大震災の経験から、「ペットと同行避難ができる避難所」も増えてきました。今では、環境省も「ペットの同行避難」を推奨していますし、一部の自治体では避難所でペットスペースを設ける取り組みも進んでいます。

もしものときに備えて、「自分の住んでいる地域ではペットの同行避難が可能か?」を確認しておくことが大切です。

また、非常時のためのペットの備え(キャリーバッグ、フード、ワクチン証明書など)を日頃から準備しておくことも重要ですね。

2. 災害時に動物を見捨てなくていい社会へ

牧場の牛たちの話を知って、「これは本当に仕方のないことだったのか?」と考えさせられました。

災害時の避難では、どうしても人命が最優先になります。しかし、動物たちの命も、私たちが責任を持っている存在です。

もし、もっと早く救助に入ることができていたら?
もし、あらかじめ「家畜の避難プラン」があったら?

すぐに完璧な解決策を見つけるのは難しいかもしれませんが、次の災害に備えて、「動物も一緒に助けられる仕組み」を考えていくことが必要なのではないかと思います。

「震災を忘れない」だけでなく「震災から学ぶ」こと

14年経った今、当時の映像や記事を目にすると、「あれからもう14年か……」という思いとともに、やっぱり胸が苦しくなります。

しかし、「震災を忘れないこと」は大事ですが、それだけで終わらせてはいけないとも思います。

震災から学び、次の災害に備える。
「自分たちができること」を考え、行動する。

それが、震災で命を落とした人たちや動物たちへの、私たちができる「最大の供養」なのかもしれません。

そして、私たちができる行動として、「今日という日を大切に生きること」もまた、震災が私たちに教えてくれたこととして過ごしてきたいと思います。

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T.kawano

Web業に従事して約20年。人生の約半分以上をWebに費やしてきました。 長崎県産業労働部や商工会議所の専門家としてセミナーをしたりWebでお困りの方の相談にも乗っていました。 デザインからライティング、撮影、プログラミングまでやっており、 「つくって話せるWebディレクター」として活動中。 月間約700,000PVのwebサイト運営、フォロワー約15,000人のSNS運営の実績を元にWeb集客や、日常を語ります。 三児と一猫の父。趣味はバドミントンとお笑い。 「優しい」のに「仕事ができ」て「面白い」人間を目指して日々精進中。