「メールが届かない!」が急増中~2024年から始まった厳格化の正体~

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今回は弊社にも最近増えてきた相談についてお話します。

最近、「お客様にメールを送ったのに届いていない」「問い合わせフォームからの自動返信が迷惑メールに入ってしまう」といったトラブルが増えていませんか?実は、これらの問題には明確な理由があります。2024年以降、Gmail、Yahoo、Microsoftなど主要メールプロバイダが一斉に「なりすまし対策」を大幅強化し、従来なら普通に届いていたメールでも容赦なく拒否されるようになったんです。

「うちは怪しいメールなんて送ってないのに…」と思われるかもしれません。でも問題は、メールの内容ではなく「技術的な設定」の方にあることが多いんです。今回は、この大変化の背景と、なぜ今までのやり方では通用しなくなったのかをお話ししたいと思います。

2024年は「メール配信の転換点」だった

振り返ってみると、2024年は「メール配信の歴史的転換点」と言えるかもしれません。主要プロバイダが相次いで厳格化を実施したからです。

Gmail&Yahoo(2024年2月~) 2023年10月に予告されていた「一括送信者要件」が本格適用されました。SPF、DKIM、DMARCといった認証技術が必須となり、これらが正しく設定されていないメールは問答無用で拒否されるようになりました。

Microsoft Outlook(2025年5月~) GmailやYahooに続き、さらに厳格な基準でのメール認証を開始。エラーコード「550 5.7.140」で弾かれるケースが急増しています。

日本の携帯キャリア(2024年~2025年) ドコモ、au、ソフトバンクも順次対策を強化。特にドコモは2024年時点でDMARC認証を強く推奨し、未対応のメールは迷惑メール扱いにされやすくなっています。

つまり「2024年:Gmail/Yahooの本格適用 → 2025年:Microsoftも参入 → 国内キャリアも追随」という流れで、メール業界全体が厳格化しているんです。

なぜこんなに厳しくなったのか?

背景にあるのは、年々巧妙化するフィッシング詐欺やなりすましメールの急増です。

フィッシング詐欺の深刻化 「銀行からのお知らせ」「ECサイトからの確認メール」を装った偽メールが大量に送られ、多くの人が被害に遭っています。メールプロバイダ側も、ユーザーを守るために本腰を入れざるを得なくなったんです。

AI技術の悪用 生成AIの普及により、より巧妙で自然な偽メールが大量生成できるようになりました。従来の「怪しい日本語」「明らかに変なメール」では見抜けない高度な攻撃が増えています。

「厳格化しないと危険」という業界の共通認識 結果として、メール業界全体で「技術的認証ができていないメールは、内容に関係なく危険と判断する」という方針に転換したんです。

簡単に言うと「身元確認」が厳しくなった

難しい専門用語がたくさん出てきますが、簡単に言うと「メールの身元確認」が厳格になったということです。

今までは「怪しい内容じゃなければ大体通してもらえた」のが、「身元がはっきりしないメールは内容に関係なく拒否」に変わったんです。これはまるで、今まで緩かった空港のセキュリティチェックが、突然とても厳しくなったようなものです。

メールにも「身分証明書」が必要に 人間が空港で身分証明書を求められるように、メールにも「この会社から正式に送られたメールです」という証明が必要になりました。この証明書に相当するのが、SPF、DKIM、DMARCといった技術的な仕組みです。

これらは全て、「なりすましメールではないことを技術的に証明する仕組み」だと思ってください。詳しい仕組みを理解する必要はありませんが、「これらがきちんと設定されていないと、正当なメールでも届かない」ということだけは知っておいていただければと思います。

こんな症状があったら要注意!

もし以下のような現象が起きていたら、メール認証の問題の可能性が高いです。

お客様から「メール届いてません」と言われる 特にGmail、Yahoo、Outlook(Hotmail)、携帯メール宛でこの症状が増えていませんか?

問い合わせフォームの自動返信が迷惑メールフォルダに 「お問い合わせありがとうございました」といった自動返信メールが、相手の迷惑メールフォルダに入ってしまうケースが急増しています。

メルマガの反応が急に悪くなった 開封率や配信成功率が、2024年頃から明らかに下がっているなら、メール認証の問題かもしれません。

「メールが返ってきました」エラーが増えた 「550」で始まるエラーメッセージと共にメールが戻ってくることが増えていませんか?

これらは全て、「技術的な身元確認」ができていないことが原因の可能性が高いです。

ここまで説明してきましたが、率直にお話しすると、これらの問題を自社内で解決するのは困難なことも多いです。

まず、何が原因かを特定するのが難しい 「メールが届かない」といっても、原因は様々です。DNS設定、メール認証、外部サービスとの連携、メール内容、送信頻度…どこに問題があるのかを特定するだけでも専門知識が必要です。

設定を間違えると余計にひどくなることも インターネット上には様々な情報がありますが、環境によって正解は異なります。間違った設定をしてしまうと、今度はメールが全く送れなくなってしまう危険性もあります。

一度設定すれば終わりではない メール認証は「設定したら終わり」ではありません。定期的な監視や調整が必要で、各メールプロバイダの要件変更にも対応し続けなければなりません。

時間がかかりすぎる これらの知識を一から学んで、試行錯誤しながら設定していると、本業がおろそかになってしまいます。

だから、専門家に相談することをお勧めします

このような状況だからこそ、私たちのようなWeb制作会社やPC関連の会社のような専門業者に相談されることを強くお勧めします。

「何が起きているか」から教えてもらえる まず現状を詳しく調査して、「なぜメールが届かないのか」を分かりやすく説明してもらえます。問題の全体像が見えると、対策も立てやすくなります。

環境に合わせた最適な解決策を提案してもらえる お客様の使っているサーバー、メール配信サービス、業務の流れなどを総合的に判断して、最も適切な解決策を提案してもらえます。

設定作業を代行してもらえる 複雑な技術的設定は全て代行してもらえるので、お客様は本業に集中できます。しかも、設定ミスのリスクもありません。

継続的にサポートしてもらえる メール環境は一度直せば終わりではありません。継続的な監視やメンテナンス、将来的な要件変更への対応もサポートしてもらえます。

結果的に時間もコストも節約できる 自分で試行錯誤する時間と労力、そして失敗のリスクを考えると、専門家に依頼した方が結果的に安く、早く、確実に解決できることがほとんどです。

まずはお困りごとを相談してください

もし現在、以下のような問題でお困りでしたら、ぜひ一度ご相談ください。

  • 「メールが届かない」とお客様から言われることが増えた
  • 問い合わせフォームの自動返信が迷惑メールに入ってしまう
  • メールマガジンの開封率が急激に下がった
  • Gmailやヤフーメール宛のメールがエラーで返ってくる
  • 何から手をつけていいか分からない

「技術的な話は難しくてよく分からない」「とりあえず今のトラブルを解決したい」そんなお気持ちで構いません。お客様の現在の状況を詳しくお聞きした上で、最適な解決策をご提案いたします。

まとめ

2024年以降のメール配信環境の変化は、単なる「一時的な厳格化」ではありません。これが新しい標準となり、今後さらに厳しくなっていく可能性が高いです。

「今まで大丈夫だったから」「そのうち緩くなるだろう」という考えは、残念ながら通用しません。適切な対応を行わなければ、重要なビジネスメールが届かないという深刻な事態になりかねません。

でも、適切な専門知識を持った業者と一緒に対応すれば、決して解決できない問題ではありません。お客様には本業に集中していただき、技術的な部分は私たちのような専門業者にお任せいただく。それが、この複雑な時代を乗り切る最も賢明な選択だと考えています。

お困りのことがございましたら、お気軽にお声がけくださいね (^^)

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この記事を書いた人
T.kawano

T.kawano

宮崎生まれ、宮崎&長崎育ち。長崎西高、長崎大学経済学部卒。
在学中からWeb業に従事して約20年。人生の半分以上をWebに注いできました。

デザインからライティング、撮影、プログラミングまでやっており、専門家としてセミナーをしたり、Webでお困りの方の相談にも乗ってきました。

「話す・作るWebディレクター」として活動中。
器用貧乏を逆手に取り、ITの力を活用して少数精鋭の組織で動いています。

三児と一猫の父。趣味は「お笑い」「アニメ(狭く深く)」「バドミントンとそれに必要なトレーニング」
「優しく」「仕事ができ」「面白い」人間を目指して日々精進中。