長崎市の歯医者は250院。激戦区で自分の院を選んでもらうためのWeb戦略とは

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ふと気になって調べてみたところ、2025年現在、長崎市内には歯科医院が約250院もあることが分かりました。長崎市の人口が約40万人なので、単純計算すると1,600人に1院の歯科医院がある計算になります。

よく『歯医者の数はコンビニよりも多い』ということを聞きますが、この数字を見た時に率直に思ったのは「これはかなりの激戦区だな」ということでした。患者さんにとって選択肢が多いのは良いことですが、歯科医院を運営されている先生方にとっては、いかに自分の院を選んでもらうかが重要な課題になっているのではないでしょうか。

昔と今の患者さんの行動の違い

昔と比べて、患者さんの歯科医院選びは大きく変わりました。以前は「近所にある歯医者さん」「知人の紹介」が主な選択基準でしたが、今はどうでしょうか?

まず多くの人がスマートフォンで検索します。「長崎市 歯医者 評判」「長崎 歯科 口コミ」「痛くない歯医者 長崎」といったキーワードで情報収集をしてから、実際に予約を取る時代になりました。

つまり、どんなに優秀な技術を持っていても、どんなに患者さん思いの治療をしていても、Web上で見つけてもらえなければ、新しい患者さんとの出会いは生まれにくくなっているのが現実です。

長崎市の歯科医院のWeb事情を調べてみた

実際に長崎市内の歯科医院のWebサイトをいくつか拝見させていただきました。すると面白いことが分かってきました。

素晴らしい設備を導入している、豊富な経験を持つ先生がいる、患者さんへの配慮が行き届いている…そんな歯科医院なのに、ホームページが古くて魅力が伝わりきっていないケースが意外と多いのです。

逆に、しっかりとしたWebサイトを持ち、SNSでの情報発信も積極的に行っている歯科医院は、予約がとりやすくなっているように見受けられました。

歯科医院が取り組むべきWeb戦略の基本

1. ホームページの最適化

まず基本となるのがホームページです。ただし、「ホームページがある」だけでは不十分。重要なのは以下のポイントです。

スマートフォン対応は必須 患者さんの多くがスマホで検索するため、スマホで見やすいサイトでなければ離脱されてしまいます。文字が小さすぎる、タップしにくい、表示が遅いといった問題は致命的です。

予約しやすさの追求 電話予約だけでなく、24時間対応のWeb予約システムがあると患者さんの利便性が格段に向上します。特に働く世代にとって、診療時間外でも予約ができるのは大きなメリットです。ただし、これは歯科医院の運用状況にもよります。管理ができないようでは逆にトラブルの元になりますので、Web予約を導入しない場合は電話をしやすくするなどの工夫までにしておくのも1つの手です。

その医院を選んでもらえるようなコンテンツ 治療器具が良いものを導入している、院長先生の人柄が伝わるなど「この医院、先生なら安心してお任せできる」と思ってもらえる技術や器具、院長あいさつ、治療方針、スタッフの笑顔など人柄の伝わるコンテンツが重要です。

2. 地域密着のSEO対策

長崎市で歯科医院を探している人に見つけてもらうためには、地域に特化したSEO対策が欠かせません。

「長崎市 歯医者」「○○駅 歯科」といった地域キーワードで上位表示されるよう、サイトの構造やコンテンツを最適化する必要があります。また、Googleマイビジネスの情報を充実させることで、マップ検索での表示順位も向上します。

3. 口コミ・レビューの活用

現代の患者さんは、実際に通った人の口コミを重視します。Google口コミ、各種予約サイトのレビューなど、良い評価を増やすための仕組みづくりが大切です。

ただし、良い口コミをもらうためには、まず本当に良い治療・良いサービスを提供することが前提。その上で、満足していただいた患者さんに自然な形で口コミをお願いする仕組みを作ることが重要です。

4. SNSでの情報発信

InstagramやFacebookなどのSNSを活用することで、歯科医院の日常や雰囲気を伝えることができます。

例えば、予防歯科の重要性について発信したり、スタッフの研修風景を紹介したり。堅いイメージになりがちな歯科医院を、親しみやすい存在として認識してもらうことができます。

長崎ならではの差別化ポイント

長崎市という地域特性を活かした差別化も考えられます。

例えば、観光客が多い長崎市では、急な歯のトラブルに対応する「観光客対応」を打ち出すことも一つの戦略です。多言語対応や、観光予定に配慮した治療計画の提案など。

また、高齢化が進む地域性を考慮し、訪問歯科診療や入れ歯治療の専門性をアピールすることも効果的でしょう。

Web戦略で気をつけたいポイント

ただし、Web戦略を進める上で注意したいのは、「技術的な部分だけに目を向けない」ことです。

最も重要なのは、ホームページを見た人が「この歯科医院に通いたい」と思ってもらえるかどうか。そのためには、先生の治療に対する想いや、患者さんへの配慮、院内の雰囲気などが伝わるコンテンツが不可欠です。

また、Web戦略は継続が重要です。一度ホームページを作って終わりではなく、定期的な情報更新、患者さんからの質問への対応、新しい治療法の紹介など、継続的な運用が成果につながります

まとめ:患者さんとの出会いを増やすために

たくさん歯科医院が存在する中で、自分の院を選んでもらうためには、優れた治療技術に加えて、それを適切に伝えるWeb戦略が必要不可欠になっています。

「うちは技術で勝負している」という先生もいらっしゃるかもしれませんが、その技術を必要としている患者さんに知ってもらえなければ、結果的に地域の皆さんの口腔健康に貢献できる機会を逃してしまうことになります。

Web戦略は決して「患者さんを騙して集める」ためのものではありません。本当に良い治療を提供している歯科医院が、それを必要としている患者さんと出会うためのツールなのです(^^)

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この記事を書いた人
T.kawano

T.kawano

宮崎生まれ、宮崎&長崎育ち。長崎西高、長大経済学部卒。
在学中からWeb業に従事して約20年。人生の半分以上をWebに注いできました。

デザインからライティング、撮影、プログラミングまでやっており、専門家としてセミナーをしたり、Webでお困りの方の相談にも乗ってきました。

「話す・動く・作るWebディレクター」として活動中。
器用貧乏を逆手に取り、ITの力を活用して少数精鋭の組織で動いています。

三児と一猫の父。趣味は「お笑い」「アニメ(狭く深く)」「バドミントンとそれに必要なトレーニング」
「優しく」「仕事ができ」「面白い」人間を目指して日々精進中。