ホームページ“製作”?それとも“制作”? そして本当は「ホームページ」ではない?
「ホームページを製作してほしいのですが…」
このようなお問い合わせをいただくこと、実は少なくありません。
もちろん、言葉の使い方として間違っているわけではありませんし、意味は十分に伝わっています。
ですが、今回はあえてこの言葉の選び方について、ちょっと真面目にお話してみたいと思います。
「製作」と「制作」— どっちが正しい?
まず「せいさく」という言葉。
「製作」も「制作」も同じ読み方ですが、実は明確な違いがあります。
- 製作:機械や道具など、モノとして形のあるものを作る場合(例:映画製作、模型製作)
- 制作:芸術やコンテンツなど、表現・デザイン性を持ったものを作る場合(例:番組制作、絵画制作)
つまり、私たちが扱っているのは「制作」が正しいということになります。
HTMLやCSS、画像や構成などを使って、内容や見た目を整え、表現として伝える。
それはまさに“制作”の領域なのです。
とはいえ、お客様に「製作」と言われても、私たちは「通じればOK」というスタンスです。
だって、誰も正解なんて教えてくれていませんからね、知らなくて当然なのです!
ただ、社内での表記やブログ・資料では「制作」に統一しています。
そして実は…「ホームページ」も本来はちょっと違う
もう一つ、業界の人間として密かに気になっているのがこの言葉。
「ホームページ」
このフレーズも広く浸透しているのですが、実は“ホームページ”は本来、ウェブサイトの中の「最初のページ(トップページ)」のことを指しているだけなのです。
ですので正確に言うなら、作っているのは「ホームページ」ではなく「ウェブサイト(Webサイト)」。
- ホームページ=トップページのみ
- ウェブサイト=複数のページを含む、全体の構成
たとえば、お店の紹介ページ・お問い合わせフォーム・会社概要ページ・ブログ…
これらすべてを含めて「ウェブサイト」なんですね。
とはいえこちらも、日常会話では「ホームページ」という言葉が圧倒的に使われているので、私たちも「ホームページ制作」という言い方をあえて使うこともあります。
あともう1つの理由が「SEO対策」に繋がるからです。
正しいのはウェブサイト制作であっても、ホームページ制作の検索の方が多いという現状があります。ですので絶対数が多い方に寄せることも時には大事なのですよね。ですので、ブログではホームページ制作と記載していることがほとんどです。
「本当は“制作”で、“ウェブサイト”が正しいけど、“製作”や“ホームページ”でもいいよ」というのが、現場での柔軟な運用です。
正しさと、やさしさのバランス
このように言葉って面白いですよね。本来正しい言葉はAだけど、よく使われているのはBだからBを言う。普段の生活はこれで全く問題ないと思っています。
私自身言葉を扱う仕事をしているのと、単なる好奇心によるものから調べたり理解を深めたりしていることも多いというだけでなんです。
言葉って、正しさも知っておくと深みが出ますよね。
もちろん、これを皆さんに強制する話ではありません。
最後にちょっと裏話
実は私たち自身、以前までは「ホームページ制作」で主に表記していました。
先ほど話をしたようにSEO対策という理由があるのでこれからもブログに載せる時は変えないと思います。
ですが実は『提案書』の見出しなどには「ウェブサイト」という言葉を使っています。
提案書などの紙ベースのものはウェブに載せるのとは違い、SEOは気にしなくて良いのでなるべく本来の言葉を使おうということでウェブサイトにしています。
ですが
まだホームページと書いている資料もあるんですよね…
これは
「やっぱり、紙面でもウェブサイトよりホームページと書く方が相手に分かりやすくて親切かな」
とか
「ウェブサイトって書くなんて格好付けすぎかな〜」
とモジモジしながら考えているからでもあります(^^;
なので一貫性を持たすことができずブレブレなわけなのです、エッヘン(←自慢することではない)
言葉って、意外と大事。
小さな言葉の違いが、伝え方や考え方の深さを変えてくれることもある。
そんな風に思いながら、今日も「ウェブサイト制作」に向き合っています。
とはいえ、「ホームページ作ってください」と言っていただくのが一番伝わりますので、お気軽にご相談くださいね(^^)
T.kawano
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