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良質なコンテンツ -なんでも鑑定団編-

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仕事でもよく使う言葉『コンテンツ』ですが、意味が分かりにくい言葉でもあります。
意味としては「情報のなかみ」ですが、それでもピンと来にくいですよね。

コンテンツを知るために、まずは『シリーズもの』で考えてみましょう!

なぜ「なんでも鑑定団」は良質なコンテンツなのか

なんでも鑑定団は1994年から始まった約30年も続いているテレビ東京の番組です。
イチ、ジュウ、ヒャク…と軽快なかけ声とともに依頼主の品物の鑑定価格を発表する老舗かつ、人気番組ですね。

時代の流れとともに老舗の番組が無くなっていく中で、これだけ長年多くの人に愛されながら続けられてきた番組はなかなかありません。

テレビ業界はどうしても視聴率を無視することができません。テレビ番組を無料で見られているのも、CMに出てくるスポンサー企業がお金を出しているからです。

つまり、視聴率が高くないとスポンサーがお金を出そうとしてくれないため、テレビ局は食べていくことができなくなってしまいます。

ですので、視聴率をとり続ける…つまり視聴者にずっと見続けられる番組づくりが必要となります。
視聴者にとって魅力ある番組づくり…魅力あるコンテンツづくりが大事になるということですね。

さて、それではなんでも鑑定団がなぜ良質なコンテンツと言われるのか分析してみましょう。

ハードが分かりやすく、お年寄りに受け入れられやすい

ここで言うハードとは、骨組みのことを言います。
なんでも鑑定団のハードを分解してみましょう。

  1. 依頼者が鑑定して欲しい品物を持ってくる
  2. その品物のエピソードが紹介される
  3. 依頼者の予想鑑定価格を発表する
  4. 鑑定結果を発表する

これだけなんです。分かりやすいですよね。
シンプルなハードになると飽きられやすくなってしまうという懸念点もあります。

ですが、依頼者は一般人や有名人などさまざま。品物は陶器やおもちゃ、絵画など価値がありそうなものであればなんでも…となっており、価格も高いかもしれないし安いかもしれないというソフト面が飽きられない仕組みになっているというわけなのです。
このおかげで特にテレビを見るF3層(50代以上)に受け入れられやすくなっているのです。

ハード × ソフト(依頼人 × エピソード × 鑑定価格)

テレビ局の仕事としてはおおまかにすると、依頼者を募る、エピソードを聞いてストーリーをつくる、鑑定人を選定する…という感じになります。(もっと色々な仕事がたくさんありますが)
このハード面がしっかりしているとイレギュラー(不規則)な仕事をするのが減るため、コスト削減に繋がります。
コスト削減ができているとそのコンテンツを長く続けることができる理由にもなりますね。
コストが安いと続けられる例として、昔からやっていて今も地元でひっそりと続けている商店になります。
なぜあそこはお客さんがたくさん入っていないのに続けられているだろうと考えたことがあるお店があると思いますが、その理由の1つとして「持ち家なので家賃がない」という点ですね。他にも理由がありますが、コストが安いということは費用を安く済ませられるため、長く続けられる理由になります。

答えがない

番組づくりで意外と大変なのは「答え」があると、間違っている場合にひどくクレームを受けてしまうことです。
どんな内容でもクレームはありますが、それをなるべく減らすため(ツッコミ所を減らすため)テレビ局側もなるべく答えが正しいものを選ぶか、曖昧にできるものを選ぶことが多いと思います。

なんでも鑑定団は答えがありません。鑑定結果という答えは出るのですがその答えが正しいかどうかは視聴者には分からないしどうでも良いのです。

もちろんテレビを見ていた他の鑑定士がツッコミを入れることもあるかもしれませんが、番組作りには関係のないことですし、絶対数が少ないため気にする必要がありません。

答えがないというのを特徴に上手にやっている番組はフジテレビの「ホンマでっかTV」もそうですね。
番組の最後にも表示されますが、「この番組に登場する情報・見解はあくまでも一説であり、その真偽を確定するものではありません。
「ホンマでっか!?」という姿勢でお楽しみいただけると幸いです。」という表記により、答えを示さない形で楽しませるという方法も手段としては似ていますよね。
つまり答えを出さないことで精査する内容や時間を減らすことができ、運営がしやすくなるという点と、見る側もフィルターをあまりかけすぎていないものを見ることができるというように双方にメリットがあります。

歴史や名産品など品物以外の楽しみ方もできる

ただ品物を鑑定して鑑定価格を出すだけだと、どうしても中身が薄くなるし、品物と価格の興味だけになってしまいます。
そうなるのを防ぐために依頼人のエピソードを紹介したり、品物の歴史や地域の歴史などを紹介したり、その地域の名産品などを紹介でき、派生方法がたくさんあります。

これにより、人やモノや地域に興味を持ってもらうなど、他にも楽しむことができるのです。

数字で結果が分かる

先ほど答えがないと話をしましたが、結果としてはお金という数字で結果が出るとこも興味を惹きつけやすいポイントとなっています。
つまり、正解ではないかもしれないが、お金としての数字が出ることで

「わぁ、そんなに価値があるんだ」
「そのお金があったら旅行に行きたいな」
「自分の家にも掘り出し物があるかもしれないな」

など、一緒に見ている人が想像を膨らませるという楽しみ方もできるのです。

また、こんな考え方もできます。
その人が直接お金をもらうような番組だと、面白くないと思う人達も一定数いると思います。

人は人の幸せを見るよりも不幸な姿を見る方が好きなものです。

なんでも鑑定団の良い所は、鑑定価格が高くてもその人が実際にお金をもらうわけではないので、妬ましく思う人が減る点。
そして鑑定価格が低い場合は、それはそれで笑いに変わるという点ですね。

お金という印象の強いものを出しながらもネガティブな要素を薄めてくれる実に素晴らしい方法ということですね。

 

今回はなんでも鑑定団を元にコンテンツづくりについての例を出しましたが、いかがでしたか?
これは番組づくりだけでなく、他のことにも活用できるヒントがたくさんありました。
自社の魅力を出すために活用していただけたらと思います。

 

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T.kawano

Web業に従事して約18年。人生の約半分をWebに費やしてきました。 長崎県産業労働部や商工会議所の専門家としてセミナーをしたりWebでお困りの方の相談にも乗っています。 「つくって話せるWebディレクター」として活動中。 大村市のITアドバイザーとしても活動しています。 月間約700,000PVのwebサイト運営、フォロワー約15,000人のSNS運営の実績を元にWeb集客を語ります。 三児の父。趣味はバドミントンとお笑い。 「優しい」のに「仕事ができ」て「面白く」、「人に必要とされる」人を目指して日々精進中。