第6章:ホームページを作る際に考えるべきポイント (1)目的を明確にする(集客・採用・ブランディングなど)

これまでの章で、ホームページの重要性と持たないことのデメリットについて詳しく見てきました。「やはりホームページが必要だ」と感じた方も多いのではないでしょうか。しかし、いざホームページを作ろうと思ったとき、何から手をつければよいのか迷ってしまうことがあります。

ホームページ制作を成功させるために最も重要なのは、制作前の目的設定です。この目的が曖昧なまま進めてしまうと、完成後に期待した効果が得られない結果になりがちです。

最初に明確にすべき「目的」の設定

なぜ目的の明確化が重要なのか

ホームページ制作でもっとも重要なのは、「何のために作るのか」という目的を明確にすることです。目的が曖昧なまま制作を進めてしまうと、完成後に「思っていたのと違う」「期待した効果が得られない」といった問題が生じる可能性が高くなります。

目的によって、必要な機能、デザインの方向性、掲載すべき情報、予算配分まで、すべてが変わってくるからです。まずは「なぜホームページを作りたいのか」を深く考えることから始めましょう。

代表的な目的とその特徴

集客・売上向上を目指す場合

新規顧客の獲得や売上アップが主目的の場合、検索エンジンで見つけやすくするSEO対策、商品・サービスの魅力を伝えるコンテンツ、問い合わせや購入につながる導線設計が重要になります。アクセス解析機能も必須で、効果測定と改善を継続的に行う必要があります。

採用活動の強化が目的の場合

優秀な人材の獲得が目的なら、会社の理念や文化、働く環境、社員の声などを丁寧に紹介するコンテンツが中心となります。求職者が「この会社で働きたい」と思えるような、企業の人間性や魅力を伝えることが最優先になります。

ブランディング・信頼性向上が目的の場合

企業や個人のブランド価値を高めたい場合は、洗練されたデザイン、一貫したメッセージ、専門性を示すコンテンツが重要です。見た目の美しさと情報の質の両方にこだわり、訪問者に「プロフェッショナルな会社だ」という印象を与える必要があります。

複数の目的がある場合の優先順位

多くの場合、ホームページには複数の目的があります。集客もしたいし、採用にも活用したいし、ブランディングも重要──こうした状況は珍しくありません。

このような場合は、目的に優先順位をつけることが大切です。最も重要な目的を「主目的」として設定し、それを軸にホームページの構成を考え、その他の目的は「副目的」として位置づけます。すべてを同じ重要度で扱おうとすると、結果的にどの目的も十分に達成できない中途半端なホームページになってしまうリスクがあります。

目的による戦略の違いを理解する

目的が明確になったら、その目的に応じてホームページの戦略や重点ポイントが大きく変わることを理解しておきましょう。同じ「ホームページ」でも、何を目指すかによって作り方が全く異なるからです。

目的に合わない構成や機能を盛り込んでしまうと、コストが無駄になるだけでなく、本来の目的達成の妨げになることもあります。逆に、目的に特化した構成にすることで、限られた予算でも高い効果を得ることが可能になります。

成功につながる目的設定のコツ

ホームページの目的を考える際は、「できるだけ具体的に」「測定可能な形で」設定することが重要です。「会社のイメージを良くしたい」といった曖昧な目的ではなく、「月に10件の問い合わせを獲得したい」「採用応募を年間20人増やしたい」といった、具体的で測定可能な目標を設定しましょう。

また、現在抱えている課題と関連付けて考えることも大切です。「新規顧客が不足している」「優秀な人材が採用できない」「同業他社に比べて知名度が低い」など、具体的な課題解決の手段としてホームページを位置づけることで、より効果的な制作が可能になります。

目的が明確になったところで、次回は実際にその目的を実現するためのデザインや構成の重要性について詳しく解説していきます。

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この記事を書いた人
T.kawano

T.kawano

宮崎生まれ、宮崎&長崎育ち。長崎西高、長大経済学部卒。
在学中からWeb業に従事して約20年。人生の半分以上をWebに注いできました。

デザインからライティング、撮影、プログラミングまでやっており、専門家としてセミナーをしたり、Webでお困りの方の相談にも乗ってきました。

「話す・動く・作るWebディレクター」として活動中。
器用貧乏を逆手に取り、ITの力を活用して少数精鋭の組織で動いています。

三児と一猫の父。趣味は「お笑い」「アニメ(狭く深く)」「バドミントンとそれに必要なトレーニング」
「優しく」「仕事ができ」「面白い」人間を目指して日々精進中。