長女が最後にランドセルを背負う日。
今日は小6長女の卒業式。
あいにくの雨模様、それも式の間はかなりの土降りとなりましたが、行き帰りの時間帯だけはなんとか小雨になってくれたのが、せめてもの救いだったなと思います。
実は、娘がランドセルを背負って登校するのは昨日が最後でした。今日は卒業式なのでランドセルで登校する必要がないということを妻から事前に聞いていたおかげで、昨日の朝しっかりと心の準備をして、彼女がランドセルをからって家を出発する最後の後ろ姿を見届けることができました。

もうこれ以降、彼女が一生ランドセルを背負うことはないのだと思うと、胸に迫るものがありましたね。思い返せば6年前、入学式の日の写真にはまだランドセルの方が体よりも大きく、可愛らしい小さな女の子が映っていました。あの「ランドセルに背負われている」ようだった姿が今でも鮮明に思い出されますが、気づけばもうこんなに月日が流れたのですね。あの頃の無邪気だった娘も、ここ1、2年ですっかり思春期の入り口に立ち、大人の階段を一段ずつ登り始めているのを感じます。親としてはその成長が誇らしくもありどこか寂しくもある、複雑な心境です。
式そのものも本当に素晴らしいものでした。特に印象的だったのが、卒業証書授与の場面です。一人ずつ名前を呼ばれて教壇に上がる際、生徒たちが自分の「将来の夢」と「そのためにどう努力するか」を語る時間があったのです。これまでの卒業式では見たことのない光景でしたが、少子化で一人ひとりに時間がかけられる今のご時世だからこそできる、素敵な試みだなと感じました。
お医者さんになると立派な目標を掲げる子もいれば、ゲーム配信者になると今どきの夢を語る子もいました。中にはまだなりたい職業が見つかっていない子たちが、「人の気持ちがわかる優しい人になりたいです」「みんなに信用してもらえる人になりたいです」と、人間としての在り方を目標に掲げている姿には、思わずハッとさせられましたね。特定の職業ではなく、どんな自分になりたいかを大勢の前で宣言する。これもまた立派な志ですよね。あんなに大勢の大人が見守る中で、自分の声をしっかりと響かせていた子どもたち全員を、心からすごいなと尊敬の眼差しで見ていました。
証書を受け取った後は、5年生の送る言葉と6年生の旅立ちの言葉、さらにそれぞれの合唱を聞かせていただきました。歳を重ねたせいでしょうか、子どもたちの純粋で透き通った歌声を聞いていると、心の奥深くまで染み渡り、気づけば涙がこぼれそうになっていました。いえ、少し出てしまっていたかもしれません。
そんな感動に浸っている最中、ふと横を見ると、どこかのお父さんがアメリカ対ベネズエラのWBCの試合をスマホで無音で流して見ていたのが視界に入り、びっくりしてしまいました。確かに私も野球好きとして試合の行方は気になっていましたが、まさかこの場で映像を流している方がいるとは……本当にいろいろな人がいるものですね。ただ、そのお父さんも子どもたちが言葉を述べたり歌を歌ったりする瞬間には、しっかりとスマホを閉じて我が子たちの姿を見守っていたので、少し安心しました。
式が終わった後は教室に戻り、保護者も一緒に最後のホームルームに参加しました。ここでもまた、心を揺さぶられるシーンが待っていました。生徒一人ひとりがクラスメイト、先生、そして両親に向けて最後の一言を伝え、先生から卒業証書を受け取るのです。あらかじめ言葉を完璧に準備してきた子もいれば、感情が込み上げてたどたどしくなる子もいました。
我が家の娘といえば、普段はクラスのお調子者として皆を笑わせるようなタイプなので、最後も何か面白いことを言って締めてくれるのかなと少し期待していたのですが、予想は大きく外れました。自分の番が回ってくると、皆の前に立った瞬間に言葉が詰まり、まさかの号泣。あまりにも喋れなくなってしまったため、先生が一度席に戻して時間を置いてくれるほどでした。二度目のトライでも、彼女は涙をボロボロと流しながら、それでも一生懸命に感謝の気持ちを伝えていました。まさか娘がこれほどまでに感情を露わにして泣くとは思っていなかったので、私たち親も思わずもらい泣きしてしまいました。周りのママ友たちからも「●●ちゃんが泣くから、あそこで一気に涙腺が崩壊しました!」と言われたり、娘も友人から「あんたがあんなに泣くから、私も泣いちゃったじゃない」と声をかけられるほど、その涙は伝染していったようです(笑)。小学生という多感な時期に、これほど豊かに感情を表現し、感謝を言葉にできる姿を見られたことは、親として幸せなことでした。
そして何より素晴らしかったのが、担任の先生の存在です。まだ若い男性の先生なのですが、一人ひとりの話に真剣に耳を傾け、証書を渡す際にその子の個性を捉えた温かい言葉をかけてくれました。先生はただ「おめでとう」と言うだけでなく、「あの時、あなたが誰々さんにこういう風に接していたのが本当に優しかったよ」と、具体的なエピソードを添えて話してくれたのです。生徒一人ひとりの細かな行動をちゃんと見て、覚えていてくれたのだなということが伝わってきて、深い感動を覚えました。娘たちは、本当に良い先生に恵まれたのだなと感謝の気持ちでいっぱいです。自分の小学校や中学校の卒業式をぼんやりと思い返してみましたが、こんなにも一人ひとりにスポットライトが当たり、感動が連鎖するようなシーンがあっただろうかと、今の教育や学校の温かさを改めて実感しました。
さあ、春からは長女もいよいよ中学生。そしてまだまだ幼さの残る末っ子が新3年生になるので、その可愛さを目一杯楽しみつつ、思春期に突入していく上の子たちの成長ともしっかり向き合っていきたいと思います。私自身も、子どもたちの成長に負けないよう、私もまだまだ成長したいと感じた、忘れられない一日となりました(^^)
