ホームページのお知らせ欄はどの位置におくべき?ユーザビリティとコンバージョンから考える最適配置

2663文字 Blog, Web

「お知らせ」「新着情報」「What’s New」…

どんな名前であれ、ほぼ全てのホームページに存在するこのコンテンツ。しかし、実際に制作する際「どこに配置すればいいの?」と悩むことはありませんか?

ヘッダー下なのか、サイドバーなのか、それともフッター近くなのか。実は、お知らせ欄の配置位置によって、ユーザーの行動やコンバージョン率が大きく変わることが分かってきています。

今回は、ユーザビリティとビジネス効果の両面から、お知らせ欄の最適な配置について考えてみましょう。

ちなみにヘッダーとは、サイト上部にあるロゴやメニューなど各ページに共有で表示される箇所のことです。逆にフッターは一番下の共通部分です。サイドバーとは、2列表示をしているサイトであれば、細い領域の方を言います。

お知らせ欄配置の基本パターン

まずは、よく見かけるお知らせ欄の配置パターンを整理してみます。

1. メインビジュアル直下(推奨度:★★★★★)

配置例: ヘッダー → メインビジュアル → お知らせ欄 → その他コンテンツ

メリット

  • ファーストビューに近い位置で視認性が高い
  • 重要度が高い印象を与える
  • スマホでも見つけやすい

デメリット

  • メインコンテンツを下に押し下げる
  • 更新頻度が低いと古い印象を与える

2. サイドバー上部(推奨度:★★★☆☆)

配置例: メインコンテンツ横、もしくはその下のサイドバー最上部

メリット

  • メインコンテンツを邪魔しない
  • 常に表示されるため継続的な露出

デメリット

  • スマホでは下部に移動してしまう
  • サイドバー自体を設置しないサイトでは使えない

3. フッター手前(推奨度:★★☆☆☆)

配置例: メインコンテンツ → コンテンツ → お知らせ欄 → フッター

メリット

  • メインコンテンツを邪魔しない
  • ページを最後まで見たユーザーにアプローチ

デメリット:

  • 見つけてもらいにくい
  • 重要度が低い印象

4. ヘッダー内(推奨度:★★☆☆☆)

配置例: ヘッダー内にお知らせのテキストを流す

メリット:

  • 全ページで表示される
  • 緊急性の高い情報に適している

デメリット

  • 文字数が制限される
  • ヘッダーが煩雑になる

データで見る!配置位置とクリック率の関係

実際のWebサイトでA/Bテストを実施した結果、以下のような傾向が明らかになっています。

クリック率比較(当社調べ)

  1. メインビジュアル直下: 3.2%
  2. サイドバー上部: 1.8%
  3. フッター手前: 0.9%
  4. ヘッダー内: 2.1%

特に注目すべきは、画像付きのお知らせにした場合、テキストのみと比較してクリック率が最大8倍向上したケースもあることです。

業種別の最適配置

BtoB企業(製造業・サービス業)

  • 推奨: メインビジュアル直下
  • 理由: 展示会情報、新製品発表などの重要な情報が多い

BtoC企業(小売・飲食)

  • 推奨: メインビジュアル直下 or サイドバー上部
  • 理由: セール情報、イベント告知などの鮮度が重要

医療・士業

  • 推奨: メインビジュアル直下
  • 理由: 休診情報、法改正情報など、重要度の高い情報が多い

採用サイト

  • 推奨: サイドバー上部
  • 理由: メインコンテンツ(職種情報など)を優先しつつ、説明会情報も伝えたい

ユーザビリティを高める5つのポイント

1. 一目で「お知らせ」と分かるデザイン

良い例

  • 「NEWS」「お知らせ」などの明確なタイトル
  • 日付の表示
  • カテゴリー分け(重要・一般・イベントなど)

悪い例

  • タイトルが不明瞭
  • 日付がない
  • 他のコンテンツと区別がつかない

2. 適切な表示件数

推奨表示件数:

  • PC: 3〜5件
  • スマホ: 2〜3件

表示件数が多すぎると情報が埋もれ、少なすぎると更新頻度が低く見えます。

3. 画像の活用

テキストのみの場合と画像付きの場合では、クリック率に大きな差が生まれます。

画像活用のコツ

  • イベント情報は写真付きで
  • 新商品発表は商品画像を使用
  • 統一感のあるデザインで

4. モバイル対応

スマートフォンユーザーが7割を超える現在、モバイルでの見やすさは必須です。

モバイル最適化のポイント

  • タップしやすいボタンサイズ
  • 画像の最適化
  • 読みやすいフォントサイズ

5. 更新頻度の管理

理想的な更新頻度

  • 週1回以上: 活発な印象
  • 月2〜3回: 適度な更新
  • 月1回未満: 更新が滞っている印象

更新頻度が低い場合は、あえてお知らせ欄を目立たない位置に配置することも検討しましょう。

コンバージョンを意識した配置戦略

お知らせ欄は単なる情報発信ではなく、ビジネス成果につなげるツールとして活用できます。

戦略的なお知らせ配置

1. 売上直結型の情報を優先表示

  • 新商品・新サービスの案内
  • キャンペーン・セール情報
  • 限定オファー

2. 信頼性向上のための情報

  • メディア掲載情報
  • 受賞・認定情報
  • お客様の声

3. SEO効果を狙った更新

  • 定期的なコンテンツ更新でサイトの鮮度をアピール
  • 検索されやすいキーワードを含んだタイトル

まとめ:お知らせ欄配置の黄金ルール

  1. 基本はメインビジュアル直下 最も視認性が高く、重要度を演出できる

  2. 更新頻度に応じて位置を調整 頻繁に更新するなら上部、そうでなければ控えめな位置に

  3. 画像を積極的に活用 テキストのみと比較してクリック率が大幅向上

  4. モバイルファーストで設計 スマホユーザーの使いやすさを最優先

  5. 効果測定を怠らない データに基づいた継続的な改善が成功の鍵

お知らせ欄は「とりあえず作っておく」ものではなく、戦略的に設計・運用することで大きなビジネス効果を生み出せるコンテンツです。

まずは現在のお知らせ欄の配置と効果を見直し、ユーザーとビジネス両方の観点から最適化を図ってみてください(^^)

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この記事を書いた人
T.kawano

T.kawano

宮崎生まれ、宮崎&長崎育ち。長崎西高、長大経済学部卒。
在学中からWeb業に従事して約20年。人生の半分以上をWebに注いできました。

デザインからライティング、撮影、プログラミングまでやっており、専門家としてセミナーをしたり、Webでお困りの方の相談にも乗ってきました。

「話す・動く・作るWebディレクター」として活動中。
器用貧乏を逆手に取り、ITの力を活用して少数精鋭の組織で動いています。

三児と一猫の父。趣味は「お笑い」「アニメ(狭く深く)」「バドミントンとそれに必要なトレーニング」
「優しく」「仕事ができ」「面白い」人間を目指して日々精進中。